13 わからない ページ13
やっぱり思ったとおりだ。
あいつが私に謝る意志なんて初めからなかったんだ。
これでよく分かったじゃないか。
あの人とは分かり合えないと。
彼が部屋を出ていくのを背中で感じながら、私はそんなことを思っていた。
ｽﾝﾘ「………あの…A…ちゃん。ごめんね……。いつもはあんなじゃないのに…」
ﾃｿﾝ「つ、続きしましょ？僕、お話したいです！」
ﾘﾝｺ「…私っ……見てきます！！」
リンコちゃんも出て行って、残された私たちと重苦しい空気は、その後の楽しい話をしても完全に消えることは無かった。
はぁ。
わからない。
G-DRAGONが…
いや。
クォン･ジヨンが…
どうしたらいいのか、わからない。
「っっ……泣」
ｼﾞｪﾁｮﾝ「Aっ？！どうした？！何かあったのか？」
「………泣」
ｼﾞｪﾁｮﾝ「そうか……」
なんで私は泣いてるの？
涙の理由が、わからない。
だけど、一つ分かるのは、泣いている私の隣で、ずっと何も言わず頭を撫でてくれる彼の手が、とても優しいということ。
最後に取材をしたあの日からもうすでに一ヶ月が過ぎていた。
その後も彼らの載った雑誌は、順調に売上を伸ばした。
しかし、彼らから次の取材の申し込みが来ることは無かった。もう私たちとは仕事しづらくなってしまったのだろう。
G-DRAGONさんに嫌われちゃったし…
もう今後は取材来ないかもなぁ……
その時ふと頭に浮かんだのは、TAEYANGさんではなく、G-DRAGONさんだった。
ダメダメ！何考えてるの？！もうあんなやつの顔なんて忘れちゃったもん！TAEYANGさんの事考えよ！！
ｼﾞｪﾁｮﾝ「A…目、閉じて両手出して。」
「え？う、うん」
ｼﾞｪﾁｮﾝ「はい。」
「………っっ！！」
私の両手の上に置かれていたのは、TAEYANGさんのライブのチケットだった。
目を開けた瞬間は本当に頭が真っ白になってしまった。
あんなに申し込んでも手に入らなかったチケットが今手元に……もしかしてジェチョンさんが……？
もしそうなら…感謝してもしきれない。
「ありがとうございます！！！！」
ｼﾞｪﾁｮﾝ「お礼言われるほどじゃないんだ笑 関係者席だからね。汗」
「でも関係者席って……この会社で２、３人くらいしか座れないのに…前回も私とリンコちゃんでライブに行かせてもらったのに」
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作者名：biglove12 | 作成日時：2017年3月28日 20時
