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「北山、話があるの、今から家行ってもいい?」




久しぶりに交わした会話



ああ、嫌な予感がするよ





少しして藤ヶ谷が来ると


早々に、


「あのね、北山」





嫌だ



さよならなんて、聞きたくないよ


今なら、まだ遅くないかな?


ねえ、藤ヶ谷

何度でも好きって、

藤ヶ谷が好きって

また伝えるから、



だから、さよならは言わないでっ ..





「別れよう、北山」




いやだ、いやだっ、



そんな思いで藤ヶ谷を抱き締めた



藤ヶ谷は抵抗せず、でも腕は回さなかった




「俺は、まだっ ..」

「きたやま、」


優しくキミが呼ぶから


泣きそうになるのを耐えて


顔を上げると






優しく微笑んでいた




「もう、遅いんだ、遅すぎるんだ ..」


そう言葉にした途端


キミの綺麗な瞳から

いくつもの雫が流れ落ちた




「っ ..」




愛しくて、離したくなくて、

否定的な言葉を聞きたくなくて




俺は藤ヶ谷にキスをした





藤ヶ谷は一切抵抗しなかった




「ふじ、がや、」






ごめんね、そう言って


俺の腕から


するりと抜けていった



そして背を向けて









「またね」






そのまま去っていった









喪失感絶望感


あらゆる感情でフリーズしていた俺は




はっとし、すぐに藤ヶ谷の後を追いかけた




でも、もう姿は見えなくなっていた





傘をさし足早に歩く人々




天気は土砂降り



雨なのか、それとも涙なのか

わからないけれど、

俺の頬は濡れていた






−−−






今日は休日




久しぶりに街に出た




休日だからか人が多い






.. 今日は気分でずっと履いていなかった靴を久しぶりに履いてみた






キミからもらったときよりも


ずいぶんと汚れてしまった





最後に履いたの、土砂降りの日だったもんな






ぼーっと歩いていると





「っ .. ふじがや、?」






キミの気配を感じた




探してみたけれど


周りは人、人、人 ..




見つかるわけがなくて、



でも、心のどこかでまた会えると




人混みの中でキミの姿を探している







なあ、


なんで俺たちは出会ったんだろうな



なんで、俺たちは過去なんだ ..?





キミを思い出すとね、




どこにいても景色が滲むんだ



あ、ほらまた、


景色が滲んできた、








あ、雨 だ ..






今日の雨は土砂降りなんかじゃかじゃない





優しい雨が俺の頬を濡らした






(( それは雨だったのか 、それとも .. ))

嫌いなものも全部→←優しい雨(K)



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ぴょんすけ(プロフ) - ぴかさん» コメありがとうございます!あのマイレージ番組のたいぴが可愛くて可愛くてつい書きたくなってしまいました(笑) (2017年6月1日 13時) (レス) id: 38ee8521b6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴか(プロフ) - パクチーのお話読みました♪とってもカワイイですっ(〃ω〃)キスも出来ないくらいパクチー嫌いとか笑藤ヶ谷くんらしい笑 (2017年6月1日 0時) (レス) id: 9684e9a139 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2017年5月28日 23時

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