Feather (ページ44)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:58,164 hit

喜怒哀楽ページ44

'

あの夜はあのままユンギオッパに送られて家に帰った。

ひとつ約束をして

「デビューまで会わない」

その先のことはその時にってﾆｺｯと笑って頭を撫でて帰っていった

少しぼやけてる視界に目を瞑る

次の日いつもの様に練習室に向かうと
慌ただしく動く人たちがいた

どうしたんですか？って聞くとユンギさんが消えたと言っていた

ナムジュンさんはすごい汗をかいて焦っていた様子だった

私はただ立ち尽くし

白くなっていく頭を昨日記憶で埋め尽くす

昨日が最後？そう、最後なのかもしれない

そう思うだけで涙が出てくる

会いたい

笑顔が見たい

でもそれは当分無理なんだろう

わかっただけでも息を吸うことさえ嫌になってしまう

JK「大丈夫？」

　「うん、大丈夫だよ」

大丈夫じゃない

みんな心配してくれた

みんな私と親しい仲だったユンギオッパが
いなくなって私が落ち込んでいると思っている

そう、そうだけど、親しい仲なんてもんじゃない

親密な関係、もしかしたらそれよりももっと

ぽっかり空いた

頭の中

あの作業室の明かりは点かなくなった

それでも私には立ち止まる暇なんてなく

目の前には人の期待と共に置かれていった
気が遠くなるほどの練習量

だから、逃げるように、忘れられるように

靴をそこを擦り減らしていった

なんどものどを痛めた

汗に染まっていく服を毎日のように身に着け

足を止めることは寝ること以外にはほぼ無くなっていた

それでも、頑張れたのは傍にはずっとナムジュンさんがいたから

NJ「ねぇ、Aさん」

　「はい？」

NJ「俺と結婚を前提にお付き合いしてくれないかな？」

　「…」

NJ「何年も先でもいいんだ、ずっと待っているから」

　「わかりました、こんな私でよければお願いします」

NJ「へ？」

　「え？笑」

NJ「いいの？」

　「はい笑」

NJ「本当に？」

　「嘘はつきません」

NJ「…」

　「ナ、ナムジュンさん？」

NJ「本当？」

　「はい、お願いします」

NJ「やったああああ!!!!」

気づけばナムジュンさんの腕の中で少し早い鼓動を聞いていた

NJ「やっとだね、やっとだよ！ Aさんが…」

これからはナムジュンさんを見るんだよ

.