王子とその隣

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『楽しい所行こうよ』



｢ぺジニョンきゅんの家に連れてってくれるの？｣



『は？』



｢私の楽しい所、行ってくれるんだよね？｣



『何言ってんの？』






高校生を舐めてもらっちゃ困る。


私だって言い返すくらいできるもん





｢いやだから...きゃっ｣



『大人しくついて来い』



｢えっちょ、離してよ!!｣







無駄に抵抗しないで、逃げればよかった


私の初めてはぺジニョンきゅんにって
決めて生きてきたのに。



こんな見ず知らずの男に...はぁ








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｢ここって、、｣



『クラブ』



｢か、帰してください｣



『ダメだよ。』



｢いや...帰りたい｣



『今更遅いってわからない？』







こいつの言う通りだ。


無駄ってわかってても逃げようとすればよかった
何もしないで諦めた私が2番目に悪い。




1番悪いのはこの男






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｢...｣



｢...嘘でしょ。｣






あの男、どっかに消えていったんだけど




私、制服なの。

あんなもうちょいで見えるんじゃねって感じの
派手な服なんか着てるわけないから

かえって目立つの




もう1回言うけど、制服だからね。私







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｢...っ!｣



『高校生？まさか未成年？』



｢ど、どいてください｣



『ここに来といてどいてはないでしょ〜』



｢触らないでよっ!!｣






嫌だ。

やめて。

助けて。




今出せる精一杯の声を出してみても
この爆音のせいですべて消されてしまう。






｢...いやだ｣



『ほら、立てよ』



｢...っ｣







こういう時ってさ、誰か1人は必ず
助けてくれるヒーローがいるんじゃないの？






『言うこと聞かないと1回じゃ終わらせないよ？』



｢たすけてっ!!｣



『誰も助けないって。行くよ』






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漫画みたいには


いかないんだね。








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