るうといっしょ♪♪

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お腹もいっぱい。
お風呂も済ませたるうは もういつ寝ても大丈夫なんやけど、
まだ眠くない！と意地を張る。

俺の隣でテレビ観てても、コックリコックリ船漕いでるくせに。

「なぁるう。たぁくんと一緒にお布団来てくれへん？たぁくん、寂しいから一人で寝られへんねん」
るうの、お兄ちゃんぶりたい所を擽りつつベッドに誘い込む作戦。

案の定、「もう！たぁくは！！」
腰に手を当ててプリプリと怒りながらも一緒に来てくれるらしい。

自分でベッドに上がるって言うから、そっとお尻支えてお手伝い。
短い足で必死にもがいてんのめっちゃ可愛いわ。


るうと二人で、ひとつの布団の中に潜り込んだら、すぐにぽっかぽかになる。
さすが子供体温！て思ったけど、マルちゃん普段から体温高めやったわ。

部屋も暗くして、さぁ寝かしつけてやろうと意気込んでたのに、それはるうも同じやったらしい。

確かにね。
寂しいから一緒に寝て言うたけど、まさか寝かしつけされるなんて思わんやん？

胸の上を、『とんとん』と柔らかく叩かれながら、るうが話してくれる昔話を聞くことになるとは。


「むかしむかしあるところにじいちゃとばあちゃがいました」
そんな、お決まりの言葉で始まった物語は、桃太郎の末裔が出てきたり、鬼退治せずに一緒にご飯食べたりする、俺が知ってるのとは全く違う話で

子供らしい発想と、マルちゃんの思考の訳分からなさが混じりあったらそれはもうカオス！

桃太郎御一行様で金太郎んとこ遊びに行ったり、浦島太郎んとこ行ってカメに竜宮城連れて行ってもらったりして、桃太郎自分の本分忘れてもうてるやん。

最後は時々言葉が途切れるようになったから、これはチャンスとばかりそっと胸ん中に引き寄せてゆっくりと背中を摩る。

自分から俺に顔ゴシゴシ擦り付けてきたから、『勝った…』とほくそ笑んだ瞬間、枕元に置いたスマホが高らかに鳴った。

慌てて音消したけどもう遅い。

「たぁく、でんわ」
るう起きてもうた。

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