忘れもの (ページ10)

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「えっ、ちょっと…」

私は作間くんの行動に驚いた

…

『え、あれ中等部の作間龍斗じゃない？』

『うわあ、やっぱりかっこいい!』

『けどなんで作間くんがうちのクラスに…』

周りにいるクラスメイトの声がヒソヒソと聞こえる

かっこいいって言われてる…

やっぱり作間くんって年上からも知られてるんだ…

そりゃこれだけイケメンなら当たり前か、

「先輩、何つったってるんすか。」

作間くんが笑いながら私に話しかけた

私は目の前の掃除当番を押し付けてきた軍団の表情を伺った

少し怒っているように見えた

やば…

圧を感じた私は作間くんに

嘘をついた

「ごめん作間くん、私今日掃除当番だったんだ…」

そう言ってははっと笑った

けど目は合わせられない

嘘ついてるし、、

何より、今作間くんを見たら泣きそうになる自分がいる

作間「えっ、掃除当番？」

「うん、ほら…私って物忘れ激しいし掃除当番だってことすっかり忘れちゃって…」

表面上は笑顔だけど内心は限界に近い

私がもっと強かったら、可愛かったら、、

こんな人達に掃除をパシられることもいじめられることも無かったかもね、、

作間「…そうですか、分かりました」

作間くんのこの言葉で、彼が教室からいなくなっちゃうと思うと胸が締め付けられる

ごめんね、作間くん…
せっかく私なんかを誘ってくれたのに

作間「じゃあ先輩が終わるまで俺待ちます」

「えっ？」

予想外の発言に驚いて声をあげた
なんで…そんなこと

作間「あ、何なら俺もやりますよ笑」

そう言って作間くんは、私の目の前にいる
掃除当番を押し付けてきた軍団に

作間｢あの～この教室の掃除道具どこにありますか？｣

と話しかけた

「作間くんっ…!」

見ているこっちがヒヤヒヤする

『おい、なんだよてめえ。急にでしゃばってきて』

軍団の1人が作間くんに喧嘩腰で話しかけてきた

やばい…作間くんがっ!

作間「うわあ、こっわ笑」

『はあ？何笑ってんだよてめえ!』

軍団の1人が作間くんの肩を掴んだ
そして、軍団の違う方が拳を上げて作間くんの顔を殴ろうとしてきた

このままじゃ作間くんがっ…!

「ダメっ!!!」

私は前に出て、彼を庇おうとした

作間「Aは動いちゃ駄目」

低い声で止められ、私自身もぴたっと止まった

ていうか今、呼び捨て…

作間くんがどんな意図でAって呼んだのかは
分からない

けど…こんな状況の中、不謹慎でしかないけど

ドキドキした