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作間「あれ…先輩が好きなのって白雪姫じゃないん
ですか？」
作間くんが少し驚いたように言う
｢うん…笑 違うかな｣
私がそういうと、『じゃあ何が好きなの』ってい
うような顔をしてきたから理由を説明した
「私は『眠り姫』が好きなの」
作間「っ、はあ!?」
オーバーリアクションすぎるだろ
とツッコミを入れたくなるくらい大きい声量
おかげで静かな図書館に響き渡って
視線が痛いほどこちらに向かれた
うわっ…なんか教室を思い出しちゃう、、
私に対して、汚いものを見るかのようなクラスメ
イトの視線
：
：
？『うるせえな、作間』
突然現れて
ぼそっと囁くように言ってきた男子
目がクリクリで顔がめっちゃちっちゃい
いわゆる美少年の顔立ち
あれ…制服違う？
少し疑問に思ったけど、その男子はすぐ向こうに
行ってしまった
作間「ははっ…」
作間くんは乾いた笑い声をあげた
けれど、私が眠り姫選んだのがそんなに驚くことなの？ぶっちゃけ、どうでも良くない？
作間「おっかしいなあ、俺絶対、浮所先輩は白雪姫だと思ったのに」
あれ〜と首を傾げる彼
納得いかなさそうな彼の顔を見ると
余程自信あったんだなって思わされる
だけど
今日初対面の相手に対して何をそんなに自信満々に答えたのだろうか
作間「けど…白雪姫も眠り姫も変わらなくないですか話？」
「変わるよ!」
その発言はタブーじゃん!
作間「どこがですか？だって、キスして目覚めるのは一緒でしょ？」
そう言って自分の唇をなぞる彼が妙に色っぽく感
じてドキドキした って…何考えてんのよ私
「そうだけど…白雪姫の方が眠った時間の方が短いじゃん？死ぬのは一瞬でその後すぐに王子様からキスしてもらってそのまま結婚にゴールインなんて苦労のない楽な人生だなってーー物語としては面白くないなあって」
本当は
面白くないって思うんじゃなくて…
ただ単に
みんなから愛されて幸せな人生を送れている
彼女ーー『白雪姫』が羨ましいだけ
いわゆる…嫉妬
美しい容姿で
鏡からも小人からも誰からも愛されているのに
されに女の子のあこがれである王子様にも愛され
る白雪姫って…どんだけ強運の持ち主なんだろうか
ホントに私とは真反対すぎる
作間「さすがに眠り姫の眠り時間には誰も叶わないって」
作間くんが笑いながらそう言う
作間「けど…自分の恋人が眠ったままだったら待つのは辛いよな…」
この時私は彼が悲しそうにそう呟いてたなんて知る由もなかった
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作者名：ざくろ | 作成日時：2021年2月12日 16時
