Ordinary happiness (ページ12)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:52,301 hit

12 ページ12

Youside

家に帰ると母がリビングでリモートワークをしていた。

母｢今日は何してたの？まさかダンスじゃないでしょうね｣

私が機嫌が良かったからなのか、母は突然そう言って私を睨んだ。

｢拓実くんと出かけただけ｣

母｢拓実くんってダンスの？｣

｢ダンスはしてないから。ただカフェに行っただけ｣

母｢あんたは走れないんだから、変な人に襲われたら最後なのよ。危機感を持ちなさい｣

｢拓実くんは知らない人じゃないでしょ｣

母｢ダンスしてる人とは関わらない方がいいわ。返って苦しくなるだけよ｣

｢交友関係にまで口出さないでよ。もう踊れないのは私が一番わかってるから｣

母の言い分は私にはわからなかった。

拓実くんは悪い人なんかじゃない。

それなのに勝手に口を出してきて……。

ダンスを奪われたのに交友関係までめちゃくちゃにしようとしないで。

元はと言えば私は両親の喧嘩に巻き込まれてダンスの道を断念せざるを得なくなったんだから。