きみたちはペット。

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｢部屋見に行こと思ってさ｣頭上から声が聞こえる。
ご満悦そうに髪の毛をくるくるいじりながら話す目 黒さん。


｢え？部屋？｣

｢Aちゃん、シャンプー何使ってるの、めっちゃいい匂いする。｣

｢あーこれ？確か知り合いの美容院のオリジナルで、｣

｢そうなん？この匂い俺好きやわ〜｣

｢今度シャンプー使わせて。｣

｢それは別にいいけどさ、｣


蓮の足の間に挟まれながら、康 二くんと目を合わせながら話す私。

なんですか、このイチャイチャカップルみたいな姿勢は。



じゃんけんの勝者はめーめでした。





｢ちょっと待って？シャンプーは置いといて部屋とは？｣

｢え？契約書にも書いてたでしょ？一緒に住むって。｣




すっかり忘れてたぜ、コノヤロー。




｢こうやって行き来するのも、カップルぽくてええねんけどな｣

頬杖ついてこちらも髪をくるくるして話す康 二くん。

貴方も相変わらず距離が近いよね、少し離れて話そうか？




｢待って、まじに引越しするの？｣

｢うん、そうだよ。｣

｢この部屋超絶気に入ってるのに？｣

｢やって、3人は少し狭いやろ？｣


この部屋は会社から近い、とにかく近い。

それに間取りも日当たりもよくて、家賃もそれなりに相場よりは安いはず。

街並みも気に入ってて、とにかく言うと引越しはしたくない。とは言えない雰囲気を作り出す2人。





｢……3人一緒は絶対な必須事項なんだね。｣



｢｢当たり前。｣｣

ノールックなハモリ。相変わらず息ぴったりですね。



｢わー嫌なハモり。｣

｢車停めてあるから、とりあえず不動産行こう。｣

｢え？車？｣

｢ドライブデートやな、A｣



ドライブデートは好きだけど、ほんとに引越すの？顔で訴えながらも手を引っ張られ、部屋から連れ出された。

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