検索窓
今日:4 hit、昨日:17 hit、合計:86,556 hit

4 ページ28

「…ケイと居るのは楽しいけど…俺が戻らないときっと母親が心配してる」


「…そうだね」


「俺…ここに…また来れる?」


そう訊くと、ケイが俺の唇にちゅっと吸い付いた。


「来てくれるの?」

「ケイさえ良ければ」

「俺に…会うために?」


水分たっぷりのとろんとした瞳が俺を見つめる。


「…俺は…これからも…会いたい」


そう言って、ケイのぷるぷるな唇にかぶりついたら、舌を絡めて応えてくれた。


「んぅっ…うれ…し…」

「んっ…また…まよっ…ちゃう…かも…だけ…ど…っ」


唇を離したら、ケイが可愛く微笑んで俺の鼻をぺろりと舐めた。



「だいじょうぶ。迎えを出すから」

「迎え?」

「コータがちゃんとここに辿り着けるようにね」

「ありがと」

「でも…"森に行く"って言っちゃダメだよ?」

「え?」


目にかかってた俺の前髪をさらりと流して、おでこにキスを落とす。


「"迷いの森に行く"なんて知れたら…来れなくなっちゃうかもしれないもん」

「わかった」



ケイが何故ここに一人でいるのか


何者なのか


もはや、そんな事はどうでも良かった。





その夜もふたり、ぎゅっと抱き合いお互いを求め合って






翌朝、俺はケイに道案内をしてもらいながら森を歩いていた。


傍らには、いつもケイのそばを飛び回っている蝶がいる。



「このまままっすぐ進むと出られるよ」

「わかった」



「コータが森に入ったら、この子が迎えにくるから」


と、肩に止まった蝶を指す。


「うん」


蝶を驚かせないよう、そっとケイの顎を持ち上げ、優しく口づける。


ゆっくり、ゆっくりと舌を絡め合った。



「んっ…ふぅ…んぅ」

「っ…必ず、また来る」

「ぅん…楽譜もたくさん持ってきて…」

「わかった」



名残惜しかったが、最後にちゅっと音をたてて唇を離し、俺は歩き出した。




しばらく歩くと、森から出た。


眩しい…そして、進むとだんだん景色が変わり、賑やかになってくる。




戻ってきてしまった。



あの、白昼夢のような…数日間。






帰宅すると、母親が飛び出してきた。



"水を得ようとうっかり森に入ったら迷ってしまった"とだけ伝え



俺は、またそれまでの日常に戻り、たまの休日や歌の稽古で隣の街へ出向く際に森へ立ち寄った。


俺が訪ねるとケイはとても喜んでくれて、つかの間の逢瀬を楽しんだ。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (147 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
249人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , yb×in
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ましろ(プロフ) - 夏夢さん» 先日の動画での黄緑さんがとっても無邪気で可愛らしかったのでわたしの妄想竹も一気に成長した次第です(≧∇≦)♪ 素直に喜べないツンな青さんも愛しい… これからどんどん濃厚接触しちゃって!! (2020年5月29日 7時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - あーもう黄緑さん可愛いとしか言いようが(>▽<)再会の恋人たちですもの、何もかも置いてまず濃厚濃密優先ですよね♪ (2020年5月28日 23時) (レス) id: 4652b9a84b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - shootingstarhapさん» ありがとうございます! 素直に喜べずついついツンになっちゃう青さんが可愛いんですよね〜(≧∀≦) (2020年5月28日 16時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - だって会いたいから読みました(^^)濃厚接触のとこ、確かに言いそうだなぁって思いました(笑)2人のやり取りがとてもリアルに感じられました(^^) (2020年5月28日 11時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 夏夢さん» そうなんですよ〜♪ あの上達の裏ではいちゃこらお料理教室がきっとあったと思われます(≧∀≦) 久々のご本人さま方の供給で妄想もはかどるってもんです〜♪♪ (2020年5月23日 0時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ましろ | 作成日時:2020年2月3日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。