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春休みに入り、明日は薮がいよいよ福岡に発つ。


どうしても最後ふたりで過ごしたくて、薮だけ1日出発を遅らせてくれたので、最後のデートをした。



夕食も済ませ、薮の家に着いたら



「…何もない」


がらんとした室内。薮が今夜寝る為の布団だけある。


「全部送ったからね」

「…そうなんだ」



ふいに、後ろから抱きしめられた。



「…全部…くれない?」

「えっ」

「伊野尾の、ぜんぶ」


それは、俺も…考えてたこと


「伊野尾の全部を…覚えていきたいんだ」



ゆっくり薮の方を向いて、見つめ合う。


「…俺も…ほしい…薮の…すべて」


引き寄せられる二人の唇。




熱くなる身体。


触れあう素肌。


俺の中に迎えた、薮の熱。





全部、覚えておくね。



だいすき、薮。




一生の別れじゃない。



また必ず会えるんだから。




少しの間、淋しいだけ―









「荷物それだけ?」


空港の搭乗口の前。リュックひとつの薮を見て、光が言う。


「うん、全部向こうにあるからさ」

「何か…実感ないなー…明日から薮がいないなんて」

「俺も。新学期また初めましてーだよ」

「夏休みは遊びに来るだろ?」

「そのつもり」

「いのちゃんばっかじゃなくて俺とも遊んでくれよ?」

「もちろんだよ笑 な?伊野尾」

「うん!3人でどこか遠出しようよ」



薮が俺の方を見る。


「…連絡するから」

「うん。俺もする」



ちゃんと笑顔できてるかな


これは悲しいお別れじゃない



2年後必ず会える…お別れなんだから。




「…元気でね」

「…伊野尾も」



手を振って、薮は搭乗口の中に入って行った。





飛行機が離陸した。






「光、ありがとね」

「…え?」

「ずっと…俺のそばにいてくれて」

「…そんなの…いいんだよ…」

「これからも…ずっと友達でいてくれる?」


光が、ふふっと笑った。


「当たり前だろ?とりあえず薮がいない間は俺がいのちゃんの一番近くにいるから!」

「光がいつもそばで支えてくれたから…今の俺がいるんだよ」


はっとした顔をする。


「…友達なら当然だろ?」

「自慢の友達だよ」



「…ね、いのちゃん、ハグしていい?」

「ほぇ?」

「嬉しくて…したくなった」

「ふふっ、いいよ…はい」


手を広げると、光にハグされる。




「薮の前でするんだった」


「あはは!」




大丈夫。


おれ、頑張れるよ…


薮がびっくりするくらい


つよく、なるんだ。






fin.

約束 (年下の彼 番外編) 1→←11



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ましろ(プロフ) - 夏夢さん» 先日の動画での黄緑さんがとっても無邪気で可愛らしかったのでわたしの妄想竹も一気に成長した次第です(≧∇≦)♪ 素直に喜べないツンな青さんも愛しい… これからどんどん濃厚接触しちゃって!! (2020年5月29日 7時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - あーもう黄緑さん可愛いとしか言いようが(>▽<)再会の恋人たちですもの、何もかも置いてまず濃厚濃密優先ですよね♪ (2020年5月28日 23時) (レス) id: 4652b9a84b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - shootingstarhapさん» ありがとうございます! 素直に喜べずついついツンになっちゃう青さんが可愛いんですよね〜(≧∀≦) (2020年5月28日 16時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - だって会いたいから読みました(^^)濃厚接触のとこ、確かに言いそうだなぁって思いました(笑)2人のやり取りがとてもリアルに感じられました(^^) (2020年5月28日 11時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 夏夢さん» そうなんですよ〜♪ あの上達の裏ではいちゃこらお料理教室がきっとあったと思われます(≧∀≦) 久々のご本人さま方の供給で妄想もはかどるってもんです〜♪♪ (2020年5月23日 0時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2020年2月3日 22時

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