お気に召すまま(改) (yb×in yb× )

王様リターンズ 1 ページ19

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今日は歌番組の生放送。


俺が出演させてもらってるドラマの主題歌なので、フォーメーションも俺のセンターが多め。がんばらなきゃ…。


テレビ局入りの前に１つ取材の仕事を終え、楽屋に入ろうとしたら、皆揃ってるのかワイワイと話し声が聞こえてきた。


"わー！薮ちゃん髪染めたのー！？"

"宏太久しぶりの茶髪だね〜"


え？


薮の話？髪？…茶髪…って聞こえたような…


急いでドアを開けた。


他の誰よりも先に、その姿をとらえる。


「あっいのちゃん！！おはよー！」


ドアのすぐ近くにいた大ちゃんが声をかけてくれたけど


「…おは…よ…」


答えつつも、俺の目にはその人しか入ってなかった。


金に近い、明るい茶髪で長身の後ろ姿。


ふっと、その頭が振り向く。


いつもの、俺の大好きな笑顔。
目がなくなっちゃうふにゃり笑顔で


「おはよ。伊野尾」



いや黒髪もカッコ良かったけど

そもそも薮はいつだって何だってカッコいいんだけど←




「お…はよ…やぶ」


薮って、髪色明るくしても全然チャラくなんなくて、前に金髪にした時…思ったんだよな…
何だっけ…


「…びっくりした？」

「ほぇ…？」


しまったあまりのカッコ良さに脳内グルグルしてて、変な声出た笑


「あれ？いのちゃんも知らなかったの？」


知念が少し驚いて聞いてきた。


「あ…うん」


「最近すれ違いだったもんな。今日久しぶりに会うから、驚かそうと思って黙ってた」


へへ、と嬉しそうに言う。


ちねーんー！と山田に呼ばれ、知念は離れていって

他のメンバーも気を使ってくれたのか、楽屋の角に二人きりになった。


驚いたのとカッコいいのとで何も言えずにいたら

「…似合ってない？」

ちょっと唇を尖らせて薮が言った。


「え…？そ、そんなわけない！！」

思わず大きな声が出ちゃった…

顔が熱くなっていくのが分かる。
恥ずかしくて俯いた。


「…似合う…よ…ていうか似合いすぎてて…あと…いきなりでびっくりした…」

「ホント？ありがとな」


顔を上げたら、いつもの笑顔。
それすらも、久しぶりの茶髪との相乗効果で2割…いや3割増しだ。

前の金髪の時より髪が短いから、一段とクールに見える。


ていうか、薮が髪色明るくしただけで、俺のこの動揺っぷりって←


こんなドキドキして…俺生放送大丈夫なのか…？
こんな時に限ってセンター多い振り付けなんですけど…

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