年下の彼 (yb×in)

ある雨の朝 ページ49

in side


…雨の音がする…


目が覚めた。

背中に宏太のぬくもり。
後ろから抱きしめるようにしてまだ寝てる。


土曜日の朝。雨予報なのは昨日のうちに分かっていたけど、散歩くらい行きたいねと話していたんだけどな…


けっこう降ってるぽいな…この音だと。


昨夜は宏太にいっぱい愛してもらってそのまま寝てしまったので、触れあう素肌がくすぐったい。


「…ん…」


あ、起きた。


「おはよ…雨だよ、宏太」

「…おはよ…慧…」


寝ぼけ眼の宏太が俺の首元に顔をくっつけてきた。


「なんじ…？」

「えっと…10時かな」

「…もうそんなじかん…？」

まだ寝ぼけてるのかな笑 かわいい…


「雨…けっこう降ってるよ…散歩…やめとく…？」


俺のお腹に回されてる腕に、きゅっと力が入った。

「…止まないかな…」

って言いながら、俺の首筋に唇をくっつけてきた。

「…っ…ゆ、夕方には止むって出てたけど…」

ちゅっと吸われた。

「…ひゃ…ん、くすぐったい…」


跡つけたな…シャツを着ればギリギリ隠れるくらいのところ…？

「…こっち向いて…慧」


言われるがままに、向きを変えたら目の前に宏太の顔。

「慧、顔赤い」

「誰のせいだよ…」

「ね、慧も跡つけてよ…俺に」


今朝は珍しく甘えただな…嬉しいけど←

「同じところがいい？それとも前？」

「ここ」

鎖骨のすぐ下を指す。

「見えちゃわない？」

「Tシャツ着るから平気」

それなら…と少し目線を落として指定された鎖骨の所に唇を当て、ちゅっと吸う。


そのまま抱きしめられた。
重なる体温とくっつく素肌が心地良い…


「…シャワー浴びよっか」

「宏太お先にどうぞ」

「えっ一緒じゃねえの？」

「もう10時だもん。一緒だと宏太盛っちゃうから」

「何その言い方ー！俺は犬かよっ笑」

「絶対シャワーだけじゃ済まないもん。さ、早く行ってきて」

「ちぇー」

ちょっと膨れっ面をしながら、俺の両頬を包み込んで、唇を重ねてくる。


優しいキス。


「…んぅ…」


俺の下唇をかぷっと甘噛みして、名残惜しそうに唇を離す。

「分かった…一人で行ってくる」

とぼとぼとお風呂場へ向かう姿は、まさに大型犬だな笑


朝昼兼用のご飯は…こないだ買った本に乗ってたフレンチトーストでも作ってみようかな。


夕方雨が止んだら買い物に行きがてら散歩に行こう。


宏太と二人なら、雨の休日も悪くない。




fin.

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