年下の彼 (yb×in)

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yb side


今日は講義は2限からだけど、慧が朝早く出てしまうので、起きて一緒に朝ごはんを食べた。


「今日はバイトだよね？これ、帰ったら温めて食べて」


慧が冷蔵庫を開けると、昨日のおかずを余分に作ってくれてあったものがタッパーに入っていた。

「ありがと」

「ご飯は冷凍庫にまだストックあるから。お味噌汁はインスタントのね」

「うん。明後日は俺が作っておくね」

「大丈夫？」

「大丈夫！一人で作れるやつにするから」

ふふっと二人で笑う。


着替えを入れたいつものより大きめのビジネスバッグを持って、慧が靴を履く。


玄関は少し段差があるので、慧の頭がいつもより下にあった。


「…宏太、ちょっとこっち」

「ん？」

慧の方に顔を寄せたら


ちゅっ

音がした瞬間、慧の柔らかい唇の感触。


慧は少し頬を染めてふんわり微笑んで


「…いってきます」


…愛しい。


俺も、慧の顎を少し上げて、おかえしのキスをした。
少しだけ…舌を絡めて。

「…ん…」


更に頬を赤く染める。


「…いってらっしゃい。仕事がんばってね」

「宏太も、大学とバイトがんばって！」




慧は出掛けて行った。


しーんとする室内。
一人で過ごす事はこれまでにもちろんあったものの、明日の夜まで一人なんだな…


洗い物をして、大学へ行く支度をする。

今日は2限と3限だけで、17時半からバイトなので、1時間くらい空き時間が出来る。
塾の今日の授業の準備は出来てるから…
一旦家に帰るか…と思ってたら、スマホが震えた。


「…光…？」


高校時代の親友で、今は美術系の専門学校に進学した八乙女光からだった。


『久しぶり！今日夕方ちょっと会えない？』


何ていいタイミング！即OKの返信をした。

光には、俺と慧の事も全て話してあって、光も付き合い出した彼女がいるのでお互いたまに相談しあっていた。






授業を終え、待ち合わせのカフェに着いたら、光は既にいた。

「薮！こっちこっち！」

手を振ってる光の席へ向かい、アイスコーヒーを頼んだ。

「よ。久しぶり」

「今日バイトだろ？ごめんな呼び出して」

「まだ時間あるから全然大丈夫」

「これさ…おすそわけしようと思って」

ガサガサと紙袋を俺の前に出す。

この香り…と中を見たら、大きめな桃が3個入っていた。

「貰いすぎちゃって。伊野尾さんと食べなよ」

「ありがと！慧…桃好きなんだよ」

帰ったら喜ぶかな。

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