２話・二度目の人生、二度目の岐路 ページ4
「失礼しました」
そう一言声をかけ、教室を出る
殺せんせーとの進路相談は楽しかったし、妙に安心感あったよな
今の先生だと、たった十数分なのに酷く長く感じた
正直、俺は自分の進路相談をやる意味がないと思っている
なんせ一度人生を経験しているからな
といっても記憶がそれなりにはっきりしているのは大学卒業あたりまで
そこから先はボンヤリとしか覚えていない
しかし、不思議なことに知識はあるのだ
大学卒業前はもちろん、卒業後の知識もしっかりと
記憶はないのにおかしな話だ
だがおかげで成績は常に上位、というか一位だ
まあ復習みたいなもんだしな
小学校は退屈で仕方なかったが
そして、成績がいいと必ず勧められる職業が『ヒーロー』だ
個性というものが存在するこの世界ではなくてはならない仕事
俺はそれに一切の興味がない
憧れたことも、なりたいと思ったことも、一度もない
前世にそれがなかったというのが、理由としては一番大きいだろう
なのになった方がいいとゴリ押しされる
迷惑極まりない話だ
それに···
「個性が、なあ···」
思わずハァ、とため息をつく
俺の個性は『武器移動・創造』
どちらかといえば、ヒーローよりもヴィランにむいている
これは周りにもよく言われることだ
だから、よりヒーローになるなんて選択肢は消えていく
個性としては強いから、教師もしつこく言ってくるのだろうが···
「···大手の会社の就職でも狙うか。前は面接全部落ちたし」
リベンジマッチだ
ポツリと呟き、帰路につく
ここから家まで少しあるが、微妙な距離なので徒歩通学だ
家に着いたら家事をこなし、学校の復習をする
飯を食って風呂に入って明日の準備をして、寝る
なんの変わり映えもしない日常
やりたいことがないと、こんなにも空虚な日々しか送れないとは思ってもみなかった
あの仲間達が、せんせーが、教室が、酷く懐かしい
もう一度あんな時を過ごせたらいいのに
叶うはずもない願いが、胸の奥で鈍く光った
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printemps(プランタン)(プロフ) - 大丈夫ですよ！もち、待ちますとも！早うその問題が解決する様願っています。 (2020年5月7日 6時) (
レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
鳴(プロフ) - 一年でも何年でも待ってます。問題が早く解決するといいですね。 (2020年5月7日 3時) (レス) id: 54dc058908 (このIDを非表示/違反報告)
神崎さん(プロフ) - とても素敵な作品で何度も繰り返し読ませていただいております。続きが楽しみな気持ちもありますがまずはヴァニタス様のリアルでの生活が何よりも大事だと思っているので気長にここでお待ちしてます。お体に気をつけて。いつまでも待ってます。 (2020年5月7日 2時) (レス) id: a37a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
ヴァニタス - 文ストのポオ君推しさん» コメントありがとうございます！返信遅くなってすみません。文章褒めてもらえるとすごくうれしいです！ (2020年5月7日 0時) (レス) id: d17f0b1875 (このIDを非表示/違反報告)
文ストのポオ君推し(プロフ) - 千葉君視点の小説…悪くない。てか、文章がすごく読みやすいです。 (2020年5月5日 0時) (レス) id: 184bdcfa18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴァニタス | 作成日時：2019年9月16日 2時
