▽ 世間は広いようで狭い ページ4
.
「 おはー 」
「 おせーぞ遅刻女ー 」
「 え、ギリセーフでしょ！！ 」
「 アウトだ。早く席に着けー 」
ついてない。今日はとことんついてない。朝ごはんのジャムが制服に付くわ、信号機に悉く引っかかるわそのせいで遅刻になるわ...厄日かな。隣で「 おはよう 」と声をかけてくれる彼の席も空白だし。せっかく仲良くなれてきたと思ったのになぁ。
「 後藤は体調不良だ 」
「 体調不良か… 」
.
.
.
遅刻したし罰な、ということで配達物を握りしめてだるまくんの家に向かっています。私からすれば家が何処にあるか知ることができるいい機会だけど。LINEで送られてきたマップを見ながら歩みを進めた。
「 ゲ、Aここで何してんの？ 」
「 そっちこそなんでいんの 」
聞き覚えのある声がしてスマホから顔を上げると嫌な顔をしてこっちを見る幼馴染がいた。こいつは高校こそ別れたものの、バブちゃんから中学校までずっと一緒だった生意気クソガキゲーム星人の葛葉。
「 俺は友達ん家にゲームしに来ただけー 」と今まさに私が押そうとしたインターホンに触れる。友達、トモダチ…だるまくんが葛葉と？？案外世間は狭いらしい。ドタバタと音がした後すぐにだるまくんが現れた。
「 おい葛葉遅いやんけ！ 」
「 体調大丈夫...みたいだね 」
「 あ、 」
「 え何どゆこと？？ 」
ドアを開けた瞬間「 いや、違うやん 」と言い訳をし始めるだるまくん。体調不良と言っていたのは嘘で、ゲームをするために仮病を使ったみたい。どんだけゲームが好きなのって感じだけどそこもまぁだるまくんらしいかな。
「 わざわざ来てもらったし送るわ 」
「 ありがとう 」
.
.
.
「 葛葉と友達なんだね、知らなかった 」
「 ゲームの趣味が合うんよな 」
「 じゃあFPSとか好きなんだ 」
帰り道、学校も違うのになんで友達なのか聞いたら共通の友達がいるらしかった。確か1つ上の不破湊とかいう男の人。なんか聞いたことある気がしてたけど、私の中学の先輩だからそりゃ知ってるよな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
