28.（あなた） ページ28
.
さすが休日の遊園地。
どのアトラクションも待ち時間が長い。
案内板を見上げながら愕然とする私達。
「……」
『……』
まぁ、言葉を失うよね。
ミンソクの横顔を眺めながらどんな判断をするのか待っていると、それに気付いたのか視線を私に落とした。
キュンとした私の心臓。こうなるのは分かってたのに。
「ちょっと回る？」
地図を取り広げながら歩き出したミンソク。
私もその後を急いで追うと、ハッとして突然立ち止まったので危うくぶつかりそうになった。
『わっ！』
「さっき一個だけ待ち時間短いやつあった」
『え！じゃあそれ行こ！』
「A大丈夫なの？」
『ん？絶叫系？平気だよ！』
「…へぇ」
何でミンソクが笑ってるのか分からなかった。
でもせっかく来たのに待ち時間で時間を無駄にするくらいなら乗れるのから乗った方が良いし。
それにする事が無くてミンソクと無言の時間がある方が私は辛い。
ジワジワと蘇るこの淡い気持ちに、確信は持ちたくない。
ミンソクの後ろ姿は、あの頃と変わってない。
私達はあの時から、何も変わってないのに。
じゃあどうして、離れてしまったんだろう。
キュっと締め付ける心臓が痛いのは、どうしてなんだろう。
「二名様ですね！すぐのご案内です！」
ミンソクについてきた事を凄く後悔。
真っ暗な道に、古そうな建物。
いかにも！みたいなこのアトラクションは、私が大っ嫌いなもの。
『ミ、ミンソク…』
「ん？」
『歩くの速い…』
足が覚束ない私とは裏腹に、ミンソクは随分前を歩いている。
動けなくなってる私に気付いたのか、もう堪えるのを辞めたってくらい笑っている。
「だから大丈夫って聞いたじゃん笑」
『こ、これとは聞いてなかったし…！！』
「あっはは！おかしー！笑」
お腹を押さえながら笑ってる。
そんなに笑われるなんて、逆に悔しい。
『もういい！一人で行けるもん！』
開き直った私はミンソクを置いて奥に進む。
「あ、おい」
バターン！！ガタガタガタガタガタ！！！
『キャーーッ！！！！！』
ただの物音。でも弱い人にはこういうのさえ心臓に悪い。
腰が抜けて座り込んでる私の後ろからまた笑い声。
「無理すんなって笑」
私の両腕を取り、優しく起き上がらせてくれたミンソク。
暗闇で分からないけど表情は笑ってる。
「大丈夫だよ」
掴まれた腕はそのままミンソクの腕に絡まる。
「俺がいるから」
私の爆発しそうな心臓は、どうしたらいい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
airi(プロフ) - 続編見れません（泣） (2014年11月20日 21時) (
レス) id: c79c1f2334 (このIDを非表示/違反報告)
LEI - 誰ぺんですか?それぞれ。 (2014年8月21日 13時) (レス) id: b703cfce1e (このIDを非表示/違反報告)
LEI - アンニョー。D.Oペンです。他には、B1A4[ゴンドゥル]TEENTOP[NIEL]2PM[テギョン]などなどです。チングに、なりませんか? (2014年8月21日 13時) (レス) id: b703cfce1e (このIDを非表示/違反報告)
あやきむ(プロフ) - pocoさん» あとがきは10分で出来ましたよｗｗｗ← グダグダですいません(;_;)ｗｗｗるぅちゃんにはこれからも盛り上げ隊長でいて、もらおうかな、と…..(ゴニョゴニョ)２ではドロドロ頑張りまーすっ＼(^o^)／ (2014年7月29日 20時) (レス) id: c304c77761 (このIDを非表示/違反報告)
あやきむ(プロフ) - 扇さん» ありがとうございます！！２ではもっと内容まとめられるようにします(;_;)ｗｗ (2014年7月29日 20時) (レス) id: c304c77761 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやきむ
| 作成日時：2014年5月22日 19時
