感情欠如の幹部様【wrwrd!】 (ページ27)

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二十六話ページ27

　
　
　
「はふぅ～………夜風が気持ちいいなぁ……」
　
　
冬の足音も近づく11月。城内の庭で並んで歩く４つの影があった。
　
　
大先生，チーノ，ショッピ，A。通称鬱軍団+Aということだ
BARで軽く酒を飲んだ鬱軍団の三人と，オレンジジュースを飲んだAは冷たい風の吹く外で，風に当たっていた。
　
　

「チーノ，こういうのは夜風ちゃうで」
　
「えっ？そうなん？？じゃあ夜風ってなんや……」
　
　
「それはなぁ……」
　
　
左からチーノ，大先生，ショッピ，Aの順で並び歩く。端のチーノとショッピが大先生を挟んで会話を始めた。
　
　

「デートの後に，『あぁ，楽しかったなぁ』って言いながら感じるのが夜風やねん」
　
「えっ？マジ？」
　
「嘘」
　
　
Aは隣で繰り広げられる会話にクスリと笑った。大先生は少し酔っているのか，頬を赤く染めたままいつも通り煙草を吸っている。
　

　
「なんやねん。嘘つくなやー」
　
　
「じゃあ，経験者に聞けば早いわ。なぁ，大先生？」
　
　
チーノとショッピの視線が一気に大先生に集まる。二人の視線に気が付いた大先生は，「は？」と腑抜けた顔で煙草をふかし，何を思ったかチーノへ煙をフーと吹きかけた。
　
　
「うわっ何するんやこの酔っ払い！！酒くっさ！」
　
すぐに大先生にどつくチーノ。「なんや，どつきまわすぞゴラァ」と加害者側とは思えない発言をしながらポカポカと力のない拳を入れる大先生。土煙をあげながら地べたで暴れ続ける二人を，ショッピとAは笑いながら見ていた。