感情欠如の幹部様【wrwrd!】 (ページ26)

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二十五話ページ26

　
「どうしたんや，ロボロ」
　
　
Aへの質問はやめて自室へ帰らせ，ロボロへと向き合うトントン
　
ロボロは片手に抱えていた書類をドサリと机の上に置いた

「これな，今日裏でこそこそしてる組織のしっぽつかめたんやけど」
　
　
「おぉ，よかったな。で，どこや…？」
　
　
ロボロが差し出した書類には，大きく防犯カメラの写真が載っていた
　
「アイツらのデータの中にこんなんあったんやけどな。時間帯は今日の午後3時頃の映像」
　
　
「え，これ…A……？」
　
　
真ん中に刀を持って佇む一人の少女，髪色も，服装も，数少ない刀使いであることからこれはAで間違いない。
　
　
「面倒事っていうか……事件起こしてないか…？A……」
　
　
開いた口が塞がらないトントン
　
　
「やんな…これAやんな…」
　
　
何をやってたんや………あたりには血だまり。倒れている男たち……
　
　
　
Aに怪我はなかったが，自分たちの知らないところで血の染まっている彼女を見るとどうも胸騒ぎがする
　
　
戦場でも類まれなる剣術を発揮する彼女が，このまま街中でも気にせずマフィアたちを狩り始めたとしたら……いずれ我々の手の届かぬ，抑えることのできない強力な存在となってしまうのではないか…………
　
　
「こら……えらいことなってもうたなぁ………」
　

　
書類を掴むトントンの手は，小刻みに震えていた
　
　

　
　