今日:12 hit、昨日:7 hit、合計:51,650 hit
小｜中｜大
十三話 ページ14
雨上がりの庭，草木についた雫が光を反射してきらきらと輝いている
Aはテラスにある椅子に座り，庭を眺めていた
ぴちゃん………
誰かの気配に振り向くと，そこには水溜まりに片足をつけたミサがいた
「ミサさんじゃないですか，どうされました？」
Aはいつも通り笑顔で問う
ミサはAの事をじっと見つめると，庭へ目を向けポツリを一言
「特に何も」
これ以上彼女たちの会話が弾むこともない
まあ，自分から会話を進めようとはしないAと，無口なミサをならば仕方のない事かもしれないが…
ミサはAの横を通り過ぎ，庭へ足を踏み入れた
「素敵じゃないですか？この庭。特に今なんかは雨水を反射してとても綺麗ですよね」
「………」
Aの言葉にミサは無言で下を向き，草木を眺めた
「確かに………」
「ですよね。私，雨も好きなんです」
ミサにニッコリと笑いかけるA
ミサはAから顔を背けると空を見上げた
「雨は嫌い……雨が降っても悲しい事しかないもの……降っても降っても止んでくれない……
虹が出たって，直ぐに消えてしまう…………この世界，悲しい事しかないの…………………」
そういった彼女の目は少し潤んでいた
「そうですか？」
Aはミサに笑顔を向けるだけだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
