ぷりんすなお姫様 ２【すとぷり】

＊ ページ29

私、わかっていた気で
いただけだったんだ。

優しい温もりに身を任せる。

A「…ごめんなさい」

ふんわり抱きしめられて
私はまた涙を流す。

ななもり「…もう寝ちゃいな」
A「…ん…っ」

背中に感じる心地良いリズム。

やっぱり私はこの手から離れることはできないんだ。


目を覚ますと
目の前にいるのはなーくんだけじゃなかった。

すとぷりメンバーが来てくれていた。

莉犬「ごめ…っA……っ」

莉犬くん、なーくんに話したみたい。

A「…私の不注意だから」

莉犬くんを許すまでもない。

悪いのは私だから。

ななもり「あのね、二人とも悪ふざけが過ぎるから。喧嘩は程々にしなさい。」

…あれ？

莉犬「…ハイ」

ころん「いや、ムカついて噛むとかまじ犬じゃん」
ジェル「犬はビジネスだけでいいから」
莉犬「悪かったって！！歯型つけるつもりだったの！！！」

……どういうことかな？

莉犬くん、ちゃんと話してないのかな？

莉犬「じゃあなんかキスマークみたいになっちゃったんだよ…」

え、そうだったの？！！

A「……リスナーさんには何て伝えましょう」
ななもり「Aはやっぱりちゃんと話したいよね」
A「はい」

るぅと「…でも喧嘩して噛まれたって言って信じてもらえます？」
さとみ「俺らは喧嘩しょっちゅう見てるからわかるけどリスナー見てねぇからな」

A「できることなら嘘はつきたくないです」
ななもり「だよねぇ…」

ジェル「普通に喧嘩して怪我したって言っても良くないですか？」
ななもり「んー…」

それなら嘘にはならないね。

ジェル「噛まれたわけじゃなくて怪我したって言ったらいいんじゃないの？」
A「…うん」

私自身、キスマークつけられたんだと思ってたから
隠してたんだけど…

キスマークじゃ…なかったんだ…

なんで必死に隠してたんだろう…

ななもり「明日くらいに枠取る？」
A「はい。そうします」

ころん「僕達一緒にいてあげるから」
るぅと「口出ししちゃだめだよ」
ころん「わかってるよ！！」

ああ、いつも通りに接してくれる。

少しでも脱退しようと考えてたことが
馬鹿みたいだ。

だってみんなこんなに優しくて、
私を必要としてくれる。

せっかく作ってくれた居場所を
無駄にするわけにはいかない。

A「……ありがとう…っ」

今度は私が恩返ししなきゃ。

私の"痛み"を"安心"に変えてくれた大切な人たちのために。

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

痛み/完

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