. ページ4
.
綺麗なものは好きよ。
見ているだけで心が踊るの。
春に咲く花も、夏の雨に濡れる青葉も、
頭上から降る赤い葉も、冷たく濡らす白い結晶も。
だから、目の前の人間の瞳も好きよ。
とても綺麗で、初めて見る”生きた”人の目だった。
恐怖でも悲しみでもない、まるで私の死を
憐れむような、そんな目をしていて。
『素敵な、夢をみるの』
「…」
『私は誰か、暖かい人に抱き締められていて、
愛の言葉を耳元で囁かれているの』
「…」
『それは、それは…とても幸福な夢なの』
切断された首は再生しない。
ボロボロと身体が崩れていくのがわかる。
でも、自分の壊れた身体よりも、彼の事が
とても気がかりだった。
『…何故泣くの?』
自分で私を殺したくせに、どうして子供のように
頬を濡らして、膝を地に着けて、泣きじゃくるのでしょう。
彼は涙で濡れた手を私に向けて、私の頬を撫でた。
とても、暖かい、いい香り。
「夢じゃない」
「夢なんかに、しないでくれ」
なんて、縋るように。
言葉を零して、また俯いて、それでも私から
手を離さずに、ただただ灰になる私を慈しむように。
「愛しているよ」
あぁ、なんて幸福な夢なのでしょう。
「ずっと、君を」
こんなに醜い私が、誰かに愛されていたなんて。
「愛してる」
なんて、素敵な
.
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←.
3人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫蘭(プロフ) - アルハさん» 覚えて貰えてて嬉しいです!! 更新楽しみにしてます!! 無理せず頑張ってください!! (2021年1月15日 16時) (レス) id: 34066c9db8 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 紫蘭さん» 覚えてますよ!お久しぶりです紫蘭さん!コメントとても嬉しいです。もしかしたらちょこちょこ更新するかもしれないので、その時はまたよろしくお願いします! (2021年1月15日 1時) (レス) id: 2bfb857be5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - アルハさん、お久しぶりです!!覚えてるでしょうか…w 久しぶりにアルハさんの小説をましてや鬼滅を見れて良かったです!! 夢主ちゃんにうるっと来てしまいました… 次の作品も頑張ってください!! (2021年1月13日 16時) (レス) id: 34066c9db8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2021年1月12日 11時