塔の上のお姫サマ。２【神威】

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＿＿＿＿＿＿あと15日




目を覚ました。



体を起こそうとするが、異常な怠さと下腹部に走る痛みによりソレは阻まれ。頭がハンマーで殴られたように痛む。


仕方なく、体を布団に預けたまま隣を見ると。そこには誰も居なかった。いつもは神威が眠りこけているのに。そこに手を触れてみると、既に冷えきっていて。大分前に彼が何処かに行ったのだと分かった。



ーーそして、もう2度と彼は此処に現れないと。



昨夜、半ば強引的に行われた行為は私にとって、苦痛でしかなかった。普通、そういう小説なら。愛する人と結ばれた事を、何度も反芻しては幸せを噛み締める場面なんだろうけど。


何となく分かっていたから。想いを告げれば、想いが通じ合えば、重なり合えば、ーーー彼は私の目の前から居なくなってしまうと。


痛む体を無理矢理起こし、立ち上がると。まぁ、当然ながら服を身につけておらず。この場に神威が居ないという事に少しホッとするが。



『ーーーー神威、』



昨日の熱がもう無い。そう思うと、胸にポッカリと穴が空いたように感じられた。胸元に刻まれた赤い跡も、いつか跡形もなく無くなると思うと、虚しくなった。



『神威、·····神威っ、······神威···！』



＿＿＿＿どうしたの？俺の事好きになっちゃった？



いつだったか、私が貴方の名前を呼んでいた時、おどけてそう言ったよね？ーーーその通りだよ。今度はさ、ちゃんと面と向かって言うから。



だから、もう1度ーーーーー




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