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『おかあさん』 ページ8

私の母がこの世を去ったのは、
私が4歳の頃。


父が約1週間の出張に出かけたタイミングで悲劇は起きた。







母「だ、誰!?」


強盗「黙れ!!金を出せ急げ!!!」








真夜中、私ももう眠りについて母も横で寝ている時だった。
家に押し入ってきた強盗は、現金を盗み母の腹をナイフで一突きした。







母「うっ……ぐァあ……Aッにげっ」

『おかあさん……?』






今でも覚えている。
母さんの、苦しそうな声を。






真っ暗な部屋で目が覚めると、母は血まみれで死にかけていて、
それが、今でもトラウマになるほど恐ろしくて、




強盗は金を持って逃げたと後から聞いた。
後をおってくる可能性のあった母を足止めのためにナイフで刺したらしい。





母「だい……じょ……」

『いやぁっ!おかあっ!!!さっ!!』







ただ、母に泣きつくことしか出来なくて、
母の温もりが消えていく感覚は今も忘れられないほど、鮮明に覚えている。








母の力が抜けて倒れていく瞬間を、
母から温もりが消えた瞬間を、

当たりが母の血で染まっていく光景を、






4歳ながらこれが普通でないことは理解出来た。









三日三晩、母の死体と共に寝室の光の届かない真っ暗な部屋で過ごした。




『ぉ……がぁざ……ん…………』







水もなくて、喉が乾いて、
涙も枯れて、


何も考えられなくて、









動かない母に抱きしめて欲しくて、

冷たい母に暖かさを求めて、





亡くなっている母の懐に入り込んで3日間を過ごした。

私と母が発見されたのは、
父が出張から帰ってすぐの事だった。

『おとうさん』→←『ゆりちゃん』



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あまね(プロフ) - かんけつ?! (11月21日 20時) (レス) @page26 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
水無月のぞみ - ゆりって最低!これで終わりは嫌!夢主ちゃんが報われないとかありえない! (9月18日 6時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 続きまで読ませていただきました!内容がとても素敵でつい、一気に読んでしまいましたw続き楽しみにしてます! (2021年10月11日 17時) (レス) @page16 id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)
はむかつ - はじめまして!!こうゆう小説本当に好きでとっても素敵なお話で今ハマってます!とっても好きです!これからも応援してます!頑張ってください!! (2021年10月11日 0時) (レス) @page16 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らーめん | 作成日時:2021年8月29日 22時

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