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小林side
それからもカッコイイところを見せようとしたが見事に連続で失敗。
一緒にお昼を食べたときも、先に僕をお店に入れてくれたり、ソファ席を譲ってくれたり………なんなら僕がトイレに行っている間に会計を済ませるというイケメン顔負けのスマートさ。
多分瀧口さんの前世は、国を救ったイケメンなんだと思う。
でも流石に女性に払わせる訳にはいかないので、何度も抗ったが、「じゃあまた一緒にご飯行こ、2人で美味しいもの食べたい」と美のオーラを隠しきれない笑顔を向けられてしまい、頷くを得なかった。完敗である。
………僕、1回もかっこいいところを見せられてなくないか?
何度も僕を可愛がってくる瀧口さんにギャップを見せて、”かっこいい”と思わせたいが、成功した記憶が微塵もない。これはまずい。
すると瀧口さんのほうから視線を感じ、彼女の方を見るとバチッと目が合って思わず心臓が高鳴った。
小林「どうしました?」
「いや…小林くん、いつもと違くない?」
バレてる。
まさかの本人にバレるというダサすぎるオチ。
心配そうな目を向けて”なんというか振る舞いが…いつもと違う”と言われてしまったため、仕方なく普段と違う素振りを見せていた理由を明かすと、彼女は声を上げて笑った。
…もういいさ、存分に笑ってくれ。
「ごめん笑っちゃって……ふふ」
小林「思ってないでしょ」
「思ってる思ってる」
は〜おもしろ、と呟いた彼女。微塵も申し訳ないと思ってない。絶対に。
真っ赤になった顔を隠すために帽子を深く被ると、すぐさま瀧口さんにその帽子を取られてしまった。
小林「ちょっ、返してくださいよ」
「いつもの小林くん、かっこいいのに」
小林「………へっ」
”いつもの小林くん、かっこいいのに”
瀧口さんの言葉が何度も脳内でリピートされる。
だんだんと理解が追いついてきて、あまりの恥ずかしさにさっきよりも顔が熱くなる自覚があった。
「だって私より背高いし、手だって大きいし、声も低いじゃん」
小林「そ、そりゃ男ですし……」
「あと性格も好きだよ、優しくて面白くてちゃんと人のこと見てる」
小林「あの、もうやめ」
「あと私のこと大好きなところとか」
小林「ちょっと!!やめてください!!!!」
何でそんなに恥ずかしい言葉をスラスラ言えるんだこの人は。この人タラシめ。毎度振り回されるこっちの身にもなってもらいたい。
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名無し - 更新ありがたやー!!! (5月6日 11時) (レス) @page50 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ありがたい…今まで通り夢主大好きな梅原さんをよろしくお願いします (4月8日 0時) (レス) @page49 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - いつも読ませていただいてます!!良平さん最推しなので良平さん登場させていただけるの嬉しいです!!! (3月16日 17時) (レス) id: 0161f172e7 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - 八代くん出してくれるの嬉しいです! (1月24日 0時) (レス) id: f4342f2c6a (このIDを非表示/違反報告)
キジ(プロフ) - コメント失礼します!千晃くんの小説少ない中、最高のきゅんきゅんエピソードばかりで愛読してます🥹 (12月5日 17時) (レス) id: 69c00db8f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナゴミ | 作成日時:2023年8月25日 21時