東海のホワイトガール。2 (ページ24)

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紅一点の存在。ページ24

Aside

てつや｢おー！この動画伸びてる！｣

虫眼鏡｢ほんとだ、やっぱ嬉しいね｣

YouTuberとして、投稿した動画が伸びるのは大変喜ばしいことである。

A｢へー！すごいやん！｣

私も歓喜の言葉を言ったが、あまり嬉しくない。

なぜなら、その動画には私が出演していないから。

私が出演している動画は、男だけの動画のほうが面白い、女がいるとつまらない。などのコメントをよく見る。

そんなコメントを見るとメンバーには申し訳ないが心から喜べない。

でも動画には出演したいしメンバーと一緒にバカやりたい。そんな自分勝手な感情を押し殺すのは悪いことではないはずだ。

私が東海オンエアから脱退すれば、これからの東海オンエアは今よりもどんどん有名になって、動画も伸び続けるのだろうか。

色んな考えが入り交じって、私の心はズタボロになっていく。

覚悟を決めたはずなのに。アンチなんか言わせておけばいいと考えたはずなのに。

私の気持ちより、メンバー6人の気持ちの方が大事に決まってる。私が脱退することでメンバーの人生が更に良くなるかもしれない。

りょう｢昨日の動画も伸びてんね。あ、一昨日のもだ｣

てつや｢ほんとだ、ボツ動画かと思ったのにね｣

そりゃそうだ。

昨日の動画も一昨日の動画も、私は出演していない。

私が動画に出ないことで、視聴率も高まりお金もたくさん増える。メンバーの人生が幸せになっていくのは嬉しいことだが、その分私の人生は奥底に落ちていく。

でもそんなことは関係ない。6人が幸せなら、私1人の人生なんて捨ててもいい。

そう思い、私はスタジオに持ってきた荷物を持って玄関に向かった。

としみつ｢あれ、もう帰んの？｣

A｢ごめん！今日少し用事あったの思い出してさ、6人で動画録っといて！！｣

としみつ｢そっか、おっけー｣

A｢___うん、じゃあね｣

もう来ないであろうスタジオ。

玄関を開けて、外に足を踏み出す。

楽しかったなあ。もう一緒にバカなことは出来ないんだろうなあ。

溢れそうな涙を堪えるために上を向く。

快晴で真っ青な空。

A｢楽しかったなあｯ……｣

次にメンバーの笑顔を見るのは画面からかもしれない。けど後悔はないはず。

______これでいいんだ。