全力で邪魔してくる5人が腹立つ。

童顔。 ページ3

｢何してるんだゼロ！｣





顔を近づけて言い合いしていた2人を引き剥がした男の人。童顔で長いまつ毛。女の子みたいな顔立ちをしている。

そして金髪くんのことを｢ゼロ｣と呼んだ。



え、本名？確かに日本人とは思えない髪色に顔立ちだし、ミドルネーム的なあれなの？？海外の人が日本の警察になるなんてすごいな日本は。




｢ヒロ！…すまない｣




喧嘩を止めた男の子の名前は｢ヒロ｣というらしい。金髪くんは、松田くんに噛み付くのが早かったから挑発に乗りやすい子なのかなって思ってたら、案外すぐに謝罪していた。松田くんにじゃなくてヒロくんにだけど。




｢全く…入学してすぐに喧嘩するなんて……｣

｢そうだよじんぺーちゃん、せっかくかっこいい顔してるんだから｣




以下にも、俺も喧嘩止めましたよ！みたいな態度を醸し出している萩原くん。お前何もしてないだろ。なんなら楽しんでただろうが。

怪我しているゼロくんや松田くんよりも、見ず知らぬ人に喧嘩を売られて、そして目の前で繰り広げられる喧嘩を見て慌てていた私の身にもなってほしいものだ。




そして何やら私を置いて4人で話している。話してる内容は知らないが。

こんな腹立つ状況に見舞われるなんて人生で初めてだ。イライラと心の底から湧き出てくる苛立ちや、散々巻き込んどいて仲間外れにされる寂しい感情を何とか抑えようと頑張るがどうやら限界のようで。





｢私を除け者にしないでっ！！！｣





そんな言葉を放って数秒後。男4人の視線が全て私に刺さる。

別に仲良くもない男どもに何てことを言ってんだ私。カーッと顔が熱くなるのを実感した。なんなら恥ずかしさで涙まで出てくる。無理逃げ出したい。何ここ地獄？



｢……あっ、いや、別にそ、そういう意味とか、なく、て……｣




弁解しようとしたが途切れ途切れになる言葉。赤くなった顔を隠しながらそう言ったが無反応な男たち。ふざけるな。こっちの感情を振り回しといて無反応かよ。うんとかすんとか言ってみろ。




死にたくなる感情を押し殺しながら悶々としていると、頭に何やら温もりを感じるものが頭に触れた。






｢そ、そんなつもりは無かったんだよ。ごめんねあの2人のせいなのに巻き込んじゃって｣






眉を下げてそう言葉をかけてくれたのはヒロくんだった。そして優しく髪を撫でてくれる大きい手。

あ、この人優しい。いい人だ。なんて思う私はチョロい女なのかもしれない。

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