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鬼畜。 ページ16

諸伏side



朝から正門前の清掃をする鬼塚教場は今日も鬼畜。

でもそんなことよりも更に鬼畜なことがある。







「……っあ、早崎くんだ…!」







「………」

「不貞腐れるなヒロ」

「青春してんね諸伏ちゃん」

「はぁ…早崎が羨ましいよ……」




俺の悩みの種はAちゃんの恋路。

隣の教場のイケメン、早崎に恋したらしいAちゃんは朝から早崎の姿を探していて。そしてつい先程発見したらしく、頬を赤らめて笑顔で彼の名前を呟いた。


素直じゃなくて強がりで負けず嫌いなAちゃんに、あんな表情させる早崎はすごい。正直、羨ましい以上の感情だ。


夢見心地な笑顔でえへへと頬を綻ばせた彼女は正気に戻ったのか、頭を振った後ほっぺたをパチンっと勢いよく叩いていた。

そんな光景を見ていた萩原や松田は笑っていて、Aちゃんは笑われていることに気がつくとムッとした表情で、




「は、萩原くん!松田くん!ちゃんと清掃してよね!」




と、言った。

何とも説得力のない言葉だ。でも可愛いので許せる俺はチョロい。別に俺が怒られたわけじゃないけど。



さて切り替えて掃除を再開するかと意気込んだ後_







「お、藍坂さん」






さらりと靡いた綺麗な黒髪、キリッとした目で落ち着く声色をした青年がAちゃんの背後に立っていた。


そう。例の早崎だ。





「…っは、はやっ、早崎く、ん!?」





一気に顔を真っ赤にさせたAちゃん。しどろもどろになりながら彼の名前を放つと、髪型や服装を整えたりしていて、女の子の表情になっていた。

……俺に勝ち目はないのかもしれない。




「昨日大丈夫だった?」

「うっ、うん!大丈夫…!心配してくれてあ、ありがとう…っ!」

「そっか、なら良かった」

「ひゃい……」





メロメロだあれは。ガックリと肩を落とす俺を慰めるかのように背中を摩ってきたゼロ。……同情しないでくれ。気持ちは嬉しいが。




「同情なんかじゃない」




俺の心を読み取ったかのようにそう言ったゼロは、次の瞬間俺の背中を思いっきり叩いた。


「い゛っ」


唐突な痛みに顔を歪めたが、喝を入れてくれたのだろう。俺の幼馴染は優しく頼れる。良い親友を持ったものだ。





「取られたなら取り返すまでだ」

「い、いや別に俺のAちゃんじゃないし……」

「あのまま取られたままでいいのか?」

「なっ、ダメに決まってる!」

「おし、なら更に色男になって藍坂ちゃんを落とすまでだぜ!」

作戦。→←恋する乙女。



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ホワホワ - 終わってしまったのですか!?今日一気に読み進めました。続きがないのが悲しいです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page25 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
春光(プロフ) - 読んでいてめっちゃ楽しいです!! キャラが良き!! 作者さんのペースで更新頑張って下さい! (2022年5月31日 16時) (レス) @page19 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - よるさん» ありがとうございます!真面目なのにチョロい女の子はいいですよね〜! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - *柑橘類*@馬鹿同盟さん» ありがとうございます!ツンデレな女の子はとても可愛いですよね〜! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - サブリオさん» ありがとうございます!続きが気になると言ってくれて励みになります〜!気まぐれ更新ですが、気に入ってくださると嬉しいです! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナゴミ | 作成日時:2022年5月11日 7時

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