恋する乙女。 ページ15
「大丈夫かい?」
「ひゃ、ひゃい……」
私、藍坂Aは、人生で初めての恋をした(かもしれない)。
.
萩原side
「どうしたの藍坂ちゃん、ウキウキだねぇ」
「べっ別に!……えへへ」
「すっげぇ笑顔……」
否定した割にはすぐさまニコニコ笑顔に変わった藍坂ちゃん。否定する気ゼロの顔してる。
頬をほんのり赤らめて可愛らしい声で控えめに笑う藍坂ちゃんは恋してるような表情をしていて……
「藍坂ちゃん、その顔は恋してるね?」
冗談のつもりだった。もし本当だとしても藍坂ちゃんは妹的存在だし、恋するなら全力で応援してあげたい。
まぁでも藍坂ちゃんのことだし恋なんて……
「こっ、こぃっ、ここ恋ぃ!?!?」
俺の予想は的中したらしい。
座っていたはずの藍坂ちゃんはいつの間にか立ち上がっていて、「こ、ここ恋なんてそっそんな、そんなのありえなっ」なんて言いながら手や髪をいじっていた。
「……ちなみに相手は誰?」
「…隣の教場所属の早崎くん」
「早崎か……」
案外あっさり教えてくれるもんだ。ちなみに早崎という名前の男は人たらしのイケメン。キリッとした目にサラサラの綺麗な黒髪。そして少し童顔の可愛らしく、そしてカッコイイ顔をした男のことだ。
そんな男に引っかかるなんて、藍坂ちゃんは安定のチョロさっぷり。イケメンに弱いのかもしれない。
「んで?好きになったきっかけは?」
「きっかけ!?……この前階段から落ちそうになったとき、お、お姫様抱っこしてくれて…!」
「……お姫様抱っこ?」
「そう!お姫様抱っこ!えへへかっこよかったぁ……」
これは一大事だ。真面目でチョロい藍坂ちゃんがあんな男にお姫様抱っこされただけで惚れてしまっている。確かにお姫様抱っこは女の子のロマンだとか何とか……。今すぐアイツらを呼んで何とか止めなければ。
「…ってか!わ、私恋してないし!」
「もう誤魔化せないでしょ」
.
「__ってことがあったんだよ」
「いいじゃねぇか、藍坂だって恋くらいしたいだろ」
「班長は彼女いるからって甘いんだよ」
「Aちゃんに…好きな、人……」
「ほら見ろヒロが肩落としてるだろう」
藍坂ちゃんに恋愛感情を抱いているであろう諸伏ちゃんはこの世の終わりかのような表情をしている。
藍坂ちゃんには申し訳ないが、仲間のためにちょっと邪魔させてもらうぜ。
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ホワホワ - 終わってしまったのですか!?今日一気に読み進めました。続きがないのが悲しいです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page25 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
春光(プロフ) - 読んでいてめっちゃ楽しいです!! キャラが良き!! 作者さんのペースで更新頑張って下さい! (2022年5月31日 16時) (レス) @page19 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - よるさん» ありがとうございます!真面目なのにチョロい女の子はいいですよね〜! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - *柑橘類*@馬鹿同盟さん» ありがとうございます!ツンデレな女の子はとても可愛いですよね〜! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)
ナゴミ(プロフ) - サブリオさん» ありがとうございます!続きが気になると言ってくれて励みになります〜!気まぐれ更新ですが、気に入ってくださると嬉しいです! (2022年5月17日 0時) (レス) id: c4dd1b218b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナゴミ | 作成日時:2022年5月11日 7時