としみつの過去のお話。2 ページ24
としみつside
俺が大きな声で名前を叫ぶと、振り返る君。
Aの瞳に俺が映ったことが分かった。
また会えたことが嬉しくて、ずっと会えなかったことが寂しくて。グチャグチャな思いを抱えたまま、俺はAに抱きつこうとした。でもAも俺だと気づいてくれたのか、先に抱きつかれてしまった。
A「っ久しぶりだね、としくん!」
としみつ「えっ、あ、A?がちもん?」
A「がちもんです、としくんから名前呼んできたのに何で確認しとんの〜」
俺の胸に顔を埋めて、ふふふっと笑う君は久しぶりに見てもとても可愛い。
サラサラの髪の毛と長いまつ毛、香りも手も優しさも全てが懐かしい。
俺は愛おしいAを離すまいとぎゅうぎゅうに抱きしめた。
高校一年。小学生以来、またクラスが一緒になった。
幸せってこういうことなのかぁって改めて実感する。
俺の名字は鈴木で、Aの名字は瀬白なので、席は前後。
授業中にたくさん話してた小学生時代が懐かしい。
そして高校生になって少し経った頃。
俺とAが笑いながら話をしていた時だった。
教室のドアを大きな音を立てて思いっきり開けた謎の男がいた。
てつや「おっ、おや、おおや小柳津徹也です!!ひっ、ひとと一目惚れしましたっ!!」
は?
Aに一目惚れだと?
確かにコイツは可愛いけど、名前も知らないお前にAをあげる気は1ミリもない。
A「は?え、ど、どうも?」
そら見ろ、Aが困惑しているだろうが!!
としみつ「だれ、お前?俺、Aと話してたんだけ………
ってりょう!?なんでお前いんの!?」
Aに告白した男に詰め寄ると、その男の後ろには中学二年の頃、同じクラスだったりょうがいた。
りょう「てつやが一目惚れした女の子に告白するって言ったから着いてきたの。
君がAちゃん?俺、りょう!仲良くしてねー」
A「え、あっよ、よろしく、…とっとしみつ、何やらかしたん」
としみつ「何もやらかしとらんわ!っとにかく!Aはやらんからな!!」
りょうの威圧感(?)に怯えたAを背中に隠して、捨て台詞を言った俺。
これで一件落着してほしかったのだが。
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作者名:えぬ。 | 作成日時:2021年6月20日 2時