個性持ち、異能持ち【ヒロアカ×文スト】 (ページ37)

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37P. ページ37

「……いやいや緑谷君、あの、轟君、えと、爆豪君もあのー……離れろって言ったじゃん？」

前ページでの私のカッコイイシーン台無しにしやがったよ。

「だって福沢さんは女の子だよ！？ひ、一人であの芥川を倒すなんて……！」

「それにお前、今めっちゃ顔青いぞ」

「お前より俺の方が強いってこと示してやる」

なんか一人おかしい。
でもでもめっちゃ怖いよね！私あんまり戦闘経験ないからね！！

「そりゃ怖いよ」

だって！だってねえ！？

「だってさ芥川だよ！？ポートマフィアだよ！？指名手配犯だよ！？めっちゃ人殺してんだよ！？何で私が狙われなきゃいけないの！？別に私何もしてないし強くもない！！それに私だって別に個性も異能も欲しいなんて言ってない！何で私が持ってるのかも分かんない！狙われる運命ならこんなの欲しくなかった！」

一息で私はそう叫んだ。
やばい、息が……戦ってないのに何この疲労感。

何を自分で言ったのかわからない。けれど、取り替えしのつかないことを言ってしまったという自覚はある。

「だってポートマフィアが私を狙ってるのって個性と異能目当てじゃん！！別に私自身は必要無いんでしょ！？いっつもいっつも褒められてるのは私の個性と異能ばっかり！見てくれてるのはこの二つだけ！私のことを思って叱ってくれる人なんて誰もいない！私自身を見てくれる人なんて誰もいない！！」

こんなこと言うつもりじゃ無かったのに、恐怖と今までの思いが積み重なっていっきに爆発した感じだ。

爆発してる割には内心が冷静すぎやしませんかねAさん。

「確かに貴様に価値があるのはその二つだけ」

いつの間にかこちらに来ていた芥川。
酷い現実を突きつけられた気がする。

「……つまりはそれほど貴様の能力が高いと言う事。私を見てない？笑わせるな。僕はこれまで幾度も貴様を捕まえようとした。その度に貴様のふざけた戯言や幼稚な発言を聞いている」

……何かすんごいディスられてる。マフィアにディスられてるよ私。

「貴様が馬鹿でどうしようもなく阿呆なのは既に誰もが知っているだろう。貴様のことを思って今目の前に貴様を止めようとしている仲間がいるのだろう」

マフィアにここまで優しいやつがいるか？いないわ。怖いわ。

「……今日ばかりは見逃してやろう」

芥川はそれだけ言って姿を消した。
……マフィアに瞬間移動の異能者でもいるんかね。