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佐久間くんと出会ったのは高2の頃
部活終わりに自転車を走らせながらいつも行くコンビニでお気に入りのアイスを買って帰ろうと立ち寄った
『ひとつもない…』
いつも手に取るアイスの在庫は空
その日は部活で散々扱かれて終わる時間も長引いてしまった
絶対にこのアイスを食べる!というのを目標にしていただけにどうしても食べたかった
『もう一件回ってみよ』
同じチェーンのコンビニにしか売っていないアイスだったから自転車を飛ばして少しだけ遠くのコンビニまで行った
そこには食べたかったアイスがちゃんとあったのでここまで頑張ったご褒美として2つも買ってしまった
アイスは少し溶けてるくらいが食べごろだと思っている私はこのアイスを持ち帰って家に着く頃には絶対にいい具合になっているな〜とテンションがあがる
そのテンションのまま自転車に跨り発進しようとすると
近くの公園に人影が見えた
うちの高校の制服だったこともありちょっとだけ気になって近づくと
『私のことからかってるだけでしょ?』
『そんなんじゃないです!先輩のこと本当に好きで…』
『もういいから…ごめんなさいっ…』
女の人が走って去っていく
これはもしや見てはいけない現場を見てしまった…?
そう思った時には遅くて
大きなため息をついたうちの高校の制服を着た男の子がゆっくりと振り返って潤っている大きな目と視線が交わってしまった
佐『……浅倉?』
『……佐久間くん?』
それは高1の時に同じクラスだった佐久間くんだった
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作者名:お芋 | 作成日時:2021年10月22日 0時