幼馴染のふっか (ページ15)

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目「家の前まで送りますって」

「ほんっとに、ここで大丈夫だから」

昨日送ってもらった場所までついても手を離してくれない目黒くん

送ります、大丈夫、の攻防戦をしていると

深「A…？」

「ふっか…？」

後ろから声をかけてきたのは今1番この状況を見られたくない人

握られている手を見られたくなかったのにふっかの視線はゆっくりと私の手に向いた

「わっ」

深「お前誰？こいつになんか用？」

ぐいっと腰を引かれてふっかの腕の中

その勢いで目黒くんと繋がれていた手は解かれたけど私の心拍数は上がるばかり

目「…そっちこそ、誰ですか？」

深「Aの幼馴染だけど」

幼馴染という言葉がズッシリときてしまう

「あの、もう大丈夫だから！目黒くんほんと送ってくれてありがとう…！ほらもう夜遅いから気をつけて帰ってね！」

未だに腰に回されているふっかの手を退けると目黒くんにそう言った

目「いやでも、」

「またバイトでね！」

目「……わかりました、なんかあったらすぐ駆けつけるんで、連絡先聞いといていいですか？」

「え…う、うんいいけど」

深「ダメだろ、」

「あ、ちょっと」

取り出した私の携帯をふっかに奪われた

「ふっかには関係ないでしょ」

ふっかに近づいた時微かに香った甘い香水の匂いが鼻に残っていて嫌な気分になる

さっきまで彼女と会っていたくせに

睨みを効かせれば大人しく携帯を返してくれて目黒くんと連絡先を交換した

目「じゃあ、またバイトで」

「うん、ありがとう！またね！」

小さくなる目黒くんの背中を見送った後、後ろにいたふっかに視線を向けた

「なんでいるの？彼女は？」

深「ちゃんと行ったよ、でも疲れてAに会いたくなってさ、そしたらなんか知らねぇ男といるし、誰？バイト先のやつ？」

なんだか怒りさえ湧いてきてしまう

自分は彼女がいるくせにふっかには関係ない

「帰って」

深「なんでだよ、なぁ、あいつと付き合って」

「いいから今日は帰って！」

深「…わかった」

わかったと言ったのにそのまま動かないふっかに痺れを切らして私は家に入った