初めて ページ12
阿部サイド
キッチンの様子を見て、何を話しているのかはいまいちわからなかったけど
何かあったのだ
それは分かった
佐久間の手を握ったまま俯いている雪斗
松「ち、、小さい頃！」
勇気を振り絞ったような大きい声にみんな一瞬で動きを止めて雪斗に視線が向いた
みんなが雪斗の方を見ていることを雪斗自身がゆっくり確認すると小さく喋り出した
松「、、小学生、、の頃、、、忙しかった母さんを、、、、喜ばせたくて」
雪斗から初めて聞くお母さんの話
松「ご飯作ってあげよう、、って、、、1人で、、、、でも、、うまくできなくて、、指切って、、、、逆に、、、、お、怒らせた」
俯いたままゆっくりと話す雪斗
雪斗が心の中のトラウマの一つを初めて俺らに話してくれている
その状況がなんだか不謹慎かもしれないけどとても嬉しいんだ
松「だから、、、、包丁は、苦手、、」
話し終えるとふぅと小さく息を吐いた
佐「話してくれてありがとう」
佐久間が雪斗に目線を合わせながらお礼を言うと小さく雪斗が頷いた
松「いつか、、、いつかみんなに、、、僕の話、もっと、、聞いてほしい、、、」
思いがけない雪斗の言葉にじんわりと視界が滲むのを感じた
松「時間、、かかるかも、、だけど、、、みんなには、、、知ってほしい、、から、、」
俺らの中で、雪斗の存在はかなり大きくて
雪斗がいないところでも誰かしらが雪斗の話をしたりする
雪斗の中でも、俺らの存在が大きいものになっているのかな
だとしたら、こんなにも嬉しいことはない
佐「聞くよ、どんだけ時間かかってもいいから、俺らはゆきの声で聞きたいから、だから待ってる」
雪斗がみんなを見渡して
「ありがとう」と笑顔を向けた
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お芋(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2021年9月3日 0時) (
レス) id: e45b924304 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 楽しく拝見させていただいております。大変だと思いますが頑張ってください。応援しております。 (2021年9月2日 20時) (レス) id: 761c21ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋
| 作成日時：2021年8月27日 15時
