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偽善 ページ23
「偽善者がまたやってるよ」
僕に喋りかけてくれている彼女にそう言葉をかけて立ち去っていったクラスメイト
「気にしないで」
と彼女は笑った、いつもの笑顔ではない、ひきつった笑顔で
僕はどこかで気づいていたのに気づかないふりをしていた
日に日に彼女の顔がやつれていることや
大半の生徒が半袖で過ごし始める季節の中、ずっと長袖を着ていること
そして僕は見てしまった
昼休み、姿を見かけない彼女を探して走り回っていた
体育倉庫からドンっドンっと音がして急いで駆けつけると
開かないように閉められた扉から弱い力で助けを求める声がした
急いで扉を開くと中には
僕がいつも見ていた特徴的なふわふわの髪と笑顔はどこにもない彼女の姿だった
いつも長袖でおおわれていた腕には強く握られた跡に、たくさんのアザ
ふわふわの髪の毛はひどく乱れて
思わず目を瞑りたくなった
「、、、雪くんとなんか関わらなきゃよかった」
そう言葉を残した彼女は僕の前から走り去り、二度と姿を見ることはなかった
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作者名：お芋
| 作成日時：2021年8月26日 13時
