激求「愛控えめな王子様」 (ページ1)

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『だからやめなさい！！』

家中に響きわたるこの声は、紛れもなく目の前にいるお兄ちゃん。

2階の寝室で寝ていたママとパパは、朝からどうしたの？と呆れた状態。いちばん呆れたいのは、この私なのに。

「お兄ちゃん！わたしもう高校生だよ！？1人で電車くらい乗らせてよ！」

『嫌だっ。事故にあったらどうすんの！』

「小学生じゃないんだから！」

『じゃあさ？知らないおじさんとからだが密着しちゃったら？痴漢にあったら？』

「もう！お兄ちゃん変なこと考えないで！」

高校で初めての友達と遊びに行くっていうのに、朝早く起きてこっそり抜け出そうと思ったら速攻でお兄ちゃんにバレた。

何してんの？と呂律が回らない声で睨まれたら、友達と遊びに行くって言うしかなくて……。

『だいたい！なんだその短いショートパンツは！男か！？』

「違うよ！長いトップスに下が短いショーパンはお洒落っていうの！」

『そんなの認めん！モンペにしろ！』

「暑いわ！」

もうママに言ってるから！じゃあね！

と思いっきり玄関の扉を閉めると同時に、さみしそーなお兄ちゃんのお顔が見えたら、こっちもなんだか罪悪感に包まれる。……って！ただのシスコンじゃん！

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