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私だってずっと気になってた。
危ない時に守ってくれたのもそう。
無意識に会えるかもって期待してたのもそう。
でもいざ本当にそう言われると……
「私なんか、」
躊躇ってしまう。
そんな私の返事を聞いたのか聞いてないのか分からないけど、諸伏さんは私の手を取った。
「躊躇わないで。力になりたいんです。
私では、力不足ですか?」
暖かい手。私を守ってくれた手。
私を見てくれた諸伏さん。
「お願い、します……」
首を横に振りながら必死の思いで声を絞り出した。
手を握り返すとどこからか上原さんと大和さんがわっと出てくる。
「やったわね、勘ちゃん!」
「コウメイ!やりやがったな!」
誇らしげな諸伏さん
泣きそうな笑顔の上原さん
ニヤニヤして諸伏さんに絡む大和さん
ずっと、ずっと1人だった私。
なんとなく、これからは賑やかな日々が待っていそうです。
・・・
「Aちゃん……卒業おめでとう、大学行けてよかったなぁ……!!」
「店長、そろそろ行きましょうって!
さっきから卒業生達にチラチラ見られてますよ!通報されますって!」
「だって……だってよぉ……!!」
その後、例の居酒屋で卒業記念パーティが開かれたのはまた別の話。
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時