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求婚(仮)08 ページ10

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煉獄side 





「毎度の事ながらあいつは長いな…」


女は風呂が長いと言うが、

あれは本当らしい。



あいつが風呂に入ると三十分は出てこない。





__スッ




「炎柱様、御食事の支度が整いました」

「うむ、助かる!」


隠の男は頭を下げ、静かに戸を締めた。





そういえば、あいつが此処に来てもうニヶ月は過ぎた頃だろうか。




初めはこんな奴が稽古についてこれるのか、と疑っていた。


生意気で、品がなく、礼儀もなっていない、


聞く所によると、楽して生きる、がモットーだと言うではないか。





俺はもしかしたら一週間もしない内に逃げ出すのではと思い、

半場あいつを試す気持ちで、


甘露寺の時よりも数段厳しい稽古を与えてきた。





思った通り、一日目から、すぐに音を上げ出した。



あぁこの程度か、仮にも継ぐ子である奴が情けない…、

そう俺は失望しかけていた。




だが、

あいつは文句を言いつつも、手を緩める事はしなかった。

むしろ今までよりも力強く、稽古を次々にこなしていったのだ。



いつまでたってもあいつは弱音を吐く、

もうやりたくないだの、寝たいだの、



しかし、決して途中で挫折しなかった。


どんなに何題を課しても、

日を跨ごして、成し遂げた事もあった。




あいつの成長は凄まじく、

自身では気付いて居ないだろうが、確実に強くなっている。





「そういえば、あの時の事をまだ謝罪出来ていないな、」



いつかの女性の綺麗な金髪と、あいつの髪が重なり、

思わず呼び止め、募っていた想いをせき止める事が出来ず、ぶつけてしまった。



だが、よく見ると想いを伝えた相手は、まだ育ち盛りの少女だった事に気づく。





…しかし後ろから飛び蹴りを食らうとは思わなかった、

気配を感じた頃にはもう既に、背中に衝撃が走っていたのだ。



こういう力任せな部分は甘露寺によく似ているな…。









___いつか、私を、お嫁さんにしてくれますか?


月明かりが綺麗な夜にあったあの女性に、

俺はもう一度合うことが出来るだろうか。









「もう直、あいつも上がって来るだろう」

俺は席を立ち、食場へ向かった。

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伊織(プロフ) - めでぃさん» https://uranai.nosv.org/u.php/novel/bf928d0f9a2dm/ページに飛べるかは分かりませんが、一応貼って置きます! (2019年12月31日 11時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - めでぃさん» すみません、私の作品に18禁フラグが立ってしまいまして、、外したいのですが何が原因か不明なので、対処できずにいました。18禁ゆえにURLも貼れないですし、、本当に申し訳ございません!アプリからしか無理なのかと、、 (2019年12月31日 11時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
めでぃ - すみません、なぜか色柱は男好き。を見ることが出来ない…というか、調べても出てきません…こちらかイラスト集からURLを貼っていただけませんか? (2019年12月31日 1時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 名無しになりたいさん» いえいえ、コメントありがとうございます!評価をしてくざさり、お気に入りに登録してくださっている方がいらっしゃる限りは、更新を続けるつもりです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月15日 20時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたい - 重大な話に割り込んで、腰を折るようでもうしわけないですが、私は作者さんの小説が好きなので、この作品を削除していただきたくないです。ほんとに、割り込んでしまってすみません… (2019年12月15日 15時) (レス) id: b14584d032 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 | 作成日時:2019年12月8日 12時

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