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男好き82 ページ37

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蜜璃side




「きっと、Aさんは、カナヲ誰かと重ね合わせているんだと思います」


話も一段落ついた頃、

しのぶちゃんがそうポツリと呟いた。






「誰かって?」


「それは分かりません…。

もしかしたら、自分自身かもしれませんね」



自分、自身…?



私がそう聞き返すと、

しのぶちゃんは、はい、と悲しそうに頷いた。







「Aさんの素顔を、この間目にする機会があったんです。

…と言っても、半場無理やり見たんですけどね」
 

そう言って、きまりが悪そうに笑う。
 




Aさんの素顔…

きっと、美人なんだろうなぁ。



あの化粧をしていても端正な顔立ちをしている事は分かる、
 


しかし、あそこまで徹底しているとなると、何処かコンプレックスがあるのかもしれない。




それで、どんな感じだったのっ?と、食い気味に尋ねた。







「美人でしたよ」


「やっぱり!」



私も見たかったなぁ〜、なんて呑気に言うが、

しのぶちゃんの顔は沈んでいた。







「それも、物凄く、美人なんですよ。非の打ち所何てないんです」
 


流石の私でも異変に気づいた。




「じゃあ何であそこまで…?」



噂のせいもあるが、あの化粧でAさんが誤解されているのは明らかだ。



そこまでの美貌を持っているのなら、素で居た方が、

本人もにとってもいいと思うのだけど…






「Aさんは、何か抱え込んでいます、

でも、私達には教えてくれない」


「…ッ」




今考えれば、Aさんの行動には不思議な点が多すぎる。




いつも男性を誘惑している様に見えて、恋愛経験は全くないようだし、


少し露出があるだけで、恥ずかしそうに顔を赤らめる純粋な人。







「殻の破り方を、見失ってしまっているんです」






「……………自分の世界だけで、人を頼る、って事を忘れているのかしら…」






私、こんなに一緒にいて、たくさん助けてもらっていたのに、


全然、そんな事気づく事が出来なかった。


Aさんの事見ていた様で、何一つ見えていなかったんだ。




そんな自分への情けなさで、目に涙が滲んだ。


 


私は拳を握りしめた。







……駄目だ、こんなの私らしくない!

頭でごちゃごちゃ考えたって意味ないわ、行動を起こさないと!







 

「しのぶちゃん、今度のお休みの時___ _ _」



私の話を聞いて、しのぶちゃんは悪戯っ子の様に笑った。



__

もうちょいでお気に入りの場面!

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匿名 - 濃ゆいって方言ですか? (2019年12月26日 23時) (レス) id: e1da86b5ff (このIDを非表示/違反報告)
麗優(プロフ) - ほんとですよね笑 無敵だけどいい迷惑ですね。はい、よろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 114271c2f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 猫まんまさん» あ、そうなんですか(笑)教えていただいてありがとうございます! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 麗優さん» 何で職場なんですかね、、ほんとあれは無敵スキルですよね、、これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
猫まんま(プロフ) - 伊織さん» あっ。でも、そのグループ解散しちゃって…。 (2019年12月22日 22時) (レス) id: a02a4587d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 | 作成日時:2019年12月4日 22時

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