七十八話 違う ページ30
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『___すみません、遅れました』
「萩原か、珍しいな」
『ちょっといろいろあって__』
「昨日は大変だったそうだな__そうだ、小僧と新人が仕事に行っている。お前も行ってこい」
『___はい』
敦と鏡花の元へ行く途中、Aは考えていた
『__久しぶりに見た。あの光景』
頭を抱えながら、Aは苦しそうに呟いた
『__″葉子さん″___″三好さん″___』
『2人なら___どうするの?』
もう居ない。もう会えない2人に向かって、子供のように問いかける
場所につくと、クレープを持った二人を見かけた
『__?二人ともどうしたの』
「連絡の行き違いで入れなくて__それで」
「電源を落として判事さんを
『そ、そっか__失敗は成功のもとって言いますし、平気ですよ』
「停電する処までは良かったのに…」
『それで怒られたんですよ、泉さん』
じとーっとした目で鏡花を見ると、口を噤んだ
「何か新しい特技を覚えれば善いさ。例えば…」
「色仕掛け?」
「それはもう忘れなさい」
『大抵の大人は子供のように振る舞えば堕ちます』
「Aちゃん?!」
こう袖をくいっとして上目遣いで_と伝授しようとするAを慌てて止める
『泉さんなら変なことされても対処できると思って』
「ねぇ」
鏡花の目が、Aを貫く
「どうして敬語を使うの?私より歳上なのに」
『これに慣れてしまったんです。人の前では基本的に』
『たまに襤褸は出ますけど___』
「鏡花って呼んで」
『っえ』
先程自分が教えたことを使って、鏡花は″お願いする″
彼女が嘗ての友と重ねて見える。
**ちゃんって呼んでよ!その方が友達見たいでしょ?
『ッ』
顔が真っ青になる。もう彼女は友達じゃない
『違う違う違う違う』
この子は、あの子じゃない
「Aちゃん……?!」
敦と鏡花が心配するようにAを見た途端、電話の呼出音がなった
『夜叉白雪よ』
『鏡花に近寄り嘘の世界を教えるものに罰を与えよ』
聞いたことのある女性の声
瞬間、背後に感じる殺気。
振り向くと同時に隣に座る敦が倒れ落ちた。
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作者名:舞。 | 作成日時:2019年10月31日 21時