この物騒な世界に幸せを！四【文スト】

百五十五話 幕は閉じて ページ5

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ヨコハマの海に鯨が浮いている。
白鯨は街に落ちる前に落とされた。
鏡花の乗る無人機が、白鯨を叩き落として。





「鏡花ちゃんは自分に克ち街を救った。探偵社に相応しい高潔さでね」




泣き崩れる敦に太宰が云う。



「でも…でも！
彼女が死ななくちゃならない理由なんて何処にも…！」





「中島さん、泉さんは死んでいません」






Aの後ろから福沢が現れる。
彼の異能力＿＿＿『人上人不造』
異能の出力を調節し、制御を可能にする能力。
そしてそれが発動するのは部下のみ。
敦が異能を制御できるようになったのもその為だった





「そして鏡花ちゃんは入社試験に合格した。衝突の直前にね」




太宰の言葉に敦が振り返る。
空からゆっくりと人影が落ちる。
それは地面に足をつくと微笑んだ。




「夜叉の刀で鎖を斬って脱出した」




夜叉白雪を背にする、鏡花の姿。
鏡花の無事を知った敦は強く彼女を抱きしめた



敵は倒され、街は守られた。



「おーい！無事かー！！」



国木田達が此方へ駆け寄る
ヨコハマは茜色に染まって。




『＿＿＿やっぱり、この世界は、とても物騒で、とても素敵だ』





こうして、横浜を巻き込んだ巨大な異能力戦争は幕を閉じた。




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