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百六十六話 愛想を振りまいて ページ16

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私は、学校でも独りだった。



高嶺の花、とでも言うかのように、周りは私を避けていた。

有名な財閥のご令嬢で、何か失態を犯してしまったら大変だから。という理由が一番だった。


でも一番は、この青い眼だと私は思う。


目を抑え乍、その目を伏せた。


いい意味でいえば、瑠璃(ラピスラズリ)のように輝いて、


悪い意味でいえば、深い、深海よりも深い海の底のような色の目に、クラスメイトの一部は勿論、大人たちは気味悪そうに私を見ていた。

クラスメイトの内の男子は、そんな私でも近づこうとアプローチをしていた。一部は私の容姿に、一部は私の財力目当てに。


誰も私を愛そうとしなかった。だから、私はいつも笑って愛想を振りまいて、全て無視していた。


それでも男子達は諦めなかった。

私の周りには男子が群がって、その様子を女子たちは冷たい敵意で私を見詰めていた。



それが辛くて苦しかったから、いつも楽器を弾いていた。
ハーモニカや手風琴(アコーディオン)、ピアノなどを独りでずっと弾いていた。

その姿すら様になるようで、結局本当に独りになれることはなかったけれど


私を忌み嫌う人達の中で、たった1人だけは、



明るく、楽しそうに、



心の底から私を認めてくれる女の子が話しかけてきた。




その子が、(ほし)だった。





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百六十七話 明るい笑顔→←百六十五話 糸を弛めるように



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夜狐 - とても面白いのですが、所々私の読んだ作品に類似しているのですが…違ったらすみません。でもとても面白いです! (2020年6月24日 22時) (レス) id: 5c5bcab0c3 (このIDを非表示/違反報告)
舞。(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます!続編もよろしくお願いします!まだまだ謎は残ってますのでぜひ楽しみに……!w (2019年12月23日 12時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 今回もめっちゃ面白かったです!これから謎が解き明かされるていくのが楽しみです!続編も頑張って下さい!! (2019年12月22日 18時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
舞。(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます〜〜!!!!これからもよろしくお願い致します! (2019年11月29日 19時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 続編おめでとうございます!これからも楽しみに読ませていただきます! (2019年11月29日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月29日 11時

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