百五十話 人は新しく生きるために ページ50
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鏡花は諦めたのだ。
人を救うことを、光に生きることを。
「…気に入らないな」
鏡花の言葉に太宰が低く云った。
まるで、なにかを思い出すように。
「"元殺し屋に善人になる資格はない"。
…君は本気でそう思っているのか?」
太宰は言葉を続ける。
鏡花には殺しの才能がある。
だから彼女は探偵社員にはなれないと考えている。
それに対して太宰は呆れ顔を浮かべた。
「全く莫迦々々しい」
太宰にとっては三十五人殺した事など、大したことではない。
「君に契機をくれた敦君も元は災害指定猛獣だし、
此処にいるAちゃんには、まだ人に言ったことのないことが沢山ある」
その言葉に、Aは唇を噛んだ。
この戦いが終わったら、言わせてください
でも、その前に彼女を私の言葉で救わせてほしい
『___泉さん、聞こますか?』
微かに震える声で、自らのことを語った
『人は新しく生きるために、たえず告別せねばならない。すべての古き親しき知己から、環境から、思想から、習慣から。
自分が生きたいと思った世界に生きたいのなら、全て忘れ去ってしまえばいい』
『人を殺した?誰かを呪った?そんなこと、誰にだってある』
『私だって、一度
『でも、もうそれは忘れた。それを受け入れて、前に進んだ』
『だから__泉さんにだって、できるはず。諦めたら、終わりだから』
彼女の語った言葉に、鏡花だけではなく、太宰も目を開いた
_____あとは、彼女がどうするか
泥の中で、必死に足掻くか 目の前のものをパッと諦めるか
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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時