勇者 ページ4
「お、お疲れ様です」
「あの、Aから聞いてると思うんですけどトークで少しお世話になるみたいなので前もってご挨拶に…」
少し年上のキヨさんはすごく大人に見えて、少し嫉妬した。
「ありがとうございます!」
それしか言えなかったのは緊張のせいということにしておいて、イヤモニからにーにさんの俺の名前を呼ぶ煽りが聞こえた。
空気が読めるファンたちは全く知らない俺のことも暖かく迎えてくれた。
1曲目【アスノヨゾラ哨戒班】を歌い終わると、2曲目に行く。
「えー…今回歌わせていただく2曲目はにーにさんから楽曲提供をして頂きました……ありがたい……」
そう言うと会場が湧く。わかる。俺も湧いた。
トークに行きたくないと思いながらもこの曲を聴いて欲しいという欲が強く、心を決めて歌う。
「それでは聞いてください【P.o.A.p.】」
後に俺の代表作となる曲だった。
いや、正直仮歌よりも上手く歌えた気はした。
カラオケなんかじゃない、胸を張って俺の曲だと言えた初めての曲。
「ありがとうございました!……え、どうしたらいいんすか」
「ごめんごめん!ありがとうございます!もう一度めいちゃんにおおきな拍手を!」
再び歓声が起きる。
この快楽を浴びたすぐ横ににーにさんがいる、これ以上の世界はない。
「それじゃあちょっとね、すっごく暇な人をお呼びしました。最終兵器俺達の?」
そこまで言えば会場は迷わずキヨー!と呼ぶ。
「うぃーす、どうもキヨでーす」
俺以上の湧き。
実感させられる知名度の差。
つら。
「いや、今日見に来てくれるって言ってたからちょっと呼んじゃってん!」
「めっちゃいい歌い手教えるからこの日こやん?って連絡入れてきたのはにーにだけどな」
「いや、めいちゃんほんとにイチオシなのよ…可愛い後輩ですね」
「同い年だろ!え!?ですよね!?」
「…え、はい、にーにさんと同い年で」
「同期みたいなもんじゃん」
「いや、この緊張して初々しい感じはもうないのよ私には」
いや、一番好きな歌い手と1番波に乗ってる実況者が横にいるって普通にやばくないか?
「歌い手と踊り手の人って話したらポンコツ多いよな」
「いや、にーにとお兄さんが話しすぎなだけだって」
「めいちゃんお喋り好き?」
お喋り…え、会話とかじゃなくて【お喋り】?
可愛くね??え??
「かわいい」
「急にゆってくるやんえ、恥っず」
「え?」
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Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 本当に素敵な作品をありがとうございました!次回作も楽しみに待ってます! (2021年9月1日 17時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!更新お疲れ様でした!!とても素敵なお話で、あっという間に感じてしまいました…今後も読み返し確定です!笑 次回作はめいちゃんさんではないとのことですが、ずっと待ってるのでまためいちゃんさんのお話を書いていただけたらと思います! (2021年9月1日 17時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!更新楽しみに正座で待ってます! (2021年8月26日 21時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - とっても面白くて好きです!!!!書いてくださってありがとうございます! (2021年7月28日 0時) (レス) id: 646ac0bdca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し52013号 | 作成日時:2021年7月27日 13時