○ ページ35
Mark Side
.
「 マクヒョン、ちょっといい？」
ヘチャンが俺の部屋に顔を覗かせた。
『っ、ああ。』
そのままヘチャンについていく。
.
.
『.......ヘチャン、俺、』
その先を言えずに俺はその場に立ち竦む。
誰もいない静まり返ったリビング、
たった数分、でも俺にとっては数時間にも感じる沈黙。
「俺さ、振られたよ、ヒョン。」
沈黙を破ったのはヘチャンのその一言だった。
「手....、離さないでって俺、言ったよね？」
「なんで今更、.........どうしてだよ！」
ヘチャンの傷ついた表情に胸が苦しくなり息づまるよつな切なさでいっぱいになる。
「ねえヒョン、俺好きなんだよ、」
「Aのことがこの世で1番大切なんだよ、」
「.......ヒョンを想って泣くAも、ヒョンを見る表情も、ヒョンが名前を呼ぶ度に嬉しそうに眉をピクってさせる所も全部、全部好きなんだよっ。」
『 ヘチャニ、』
「.......俺のために酷いこと言って俺以上に傷ついた顔するAのその優しい所が堪らなく愛おしいよ、ヒョン、」
『うん、』
「どんなに酷いこと言われたって、.......嫌いになれるはずがないのにな、っ、」
『っ、』
「ははっ、ヒョン泣かないでよ、」
ヘチャンの言葉に自分が泣いてることに気づく。
『 ........俺も、.....世界を救うのかってぐらいのAの優しさに何度も救われてきた。
何度も、なんども。』
『Aの優しさも、Aの愛おしさも、Aの存在そのものが俺の中でいつの間にか当たり前になってた。
言い訳になるけど、そういう当たり前に甘えてた俺は、
Aの手を離しても生きていけるって思ってたよ。』
『本当に大切で守らなくちゃいけないものを、かけがえのないものを俺は見失ったんだ、
一番愛してくれた人を失ってから愛されてたって、
もうこれ以上ないほど愛に溢れていたって、やっと気づくんだよ。』
『........もう二度と見失わない。
絶対にAの手を離さない。』
『例えそれがヘチャン、お前を傷つけてしまう道だとしても、』
大口を叩いたけど大事な弟を、大事な家族を、
大切な友達を傷つける現実から目を背けたくなる。
「.......はあ、はは。
つくづくムカつくよヒョンにもAにも。」
『え？』
どこかスッキリしたような顔でヘチャンは笑った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイカ(プロフ) - 面白かったです！続編も見てみたいです！！！ (5月21日 12時) (
レス) @page40 id: 0869ea67dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - SFさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて本当に嬉しいです。本当に本当にありがとうございます！これからもこの作品含め愛していただけると幸いです🥲 (2022年1月1日 4時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - 切なすぎて泣きながら読みました。本当に素敵なお話で、大好きです😭😭😭 (2021年12月6日 2時) (レス) @page39 id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - ジェ！さん» 初めまして、コメントありがとうございます！続編希望していただけて本当に嬉しいです！楽しみに待っていてください！ (2021年12月2日 5時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - ココさん» コメントありがとうございます！続編希望していただき本当に嬉しいです！！楽しみに待っていてください！ (2021年12月2日 5時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾕﾉﾀﾛ | 作成日時：2021年11月11日 3時
