大型犬に噛みつかれる ページ24
お仕事の休憩時間は、わりと自由に過ごしている。
ゲームしている日もあれば、仮眠をとる日もある。
ここ最近は好きな作家さんの新刊が出たので読書をしている。
人間の黒い部分を書いたハラハラドキドキする作品が好きだ。
(だいたいこれを言うと周りに引かれる)(なんなら勝利に「病み期？」って心配される)
手に汗握る展開に、ページをめくる手が止まらない。
うっそ... そんな展開あり...！？と胸が高鳴る。
と同時に左耳を生暖かい感触に覆われる。
『ひにゃ...！』
思わず椅子から立ち上がり、何事かと周りを見渡すと大型犬ラウールとニヤニヤしている悪い大人たち。
その光景を見た瞬間にラウールに左耳を食われたと察する。
ラウール「Aちゃんの耳が一番好みかも」
渡辺「えらい可愛い声も出んだな、お前」
その会話に自分でも顔がどんどん熱くなるのが分かる。
『うわあああああーー』
恥ずかしさのあまり顔を両手で覆って、そのまま床に倒れ込む。
まさに穴があったら入りたいとはこの状況である。
ラウール「右耳は平気なんだ」
そこへ追い討ちをかけるかのごとく大型犬が今度は右耳を触る。
『ちょ...や...だ...！やだやだやだやだ！！』
立ち上がって壁際まで逃げ、頭をグリグリする。
『康二くん！！！』
羞恥に耐えきれず向井に助けを乞う。
向井「はいはい、お呼びですか？お姫様」
手で顔を覆ったまま向井のほうを向いて肩に頭を乗せる。フワッと向井が背中に手を回してくれて、赤子をあやすように背中をトントン叩いてくれる。
『もうやだ。お家帰る。』
向井「もうちょい仕事あるから頑張ろうな？」
『やだ。頑張れない。もうお嫁に行けない。』
向井「前に、結婚願望ないって言ってへんかったっけ？」
『紙切れで契約しないと行けない関係だなんてその程度に決まってる。そういう意味では結婚願望ない。』
向井「いや、えらい男前な考え方やな...」
『ラウールに、汚された... ああ...』
ラウール「責任はとるよ？」
『こっちからお断りです。やめてください。近づかないでください。』
ラウール「えぇー 寂しいじゃん！」
『自分が行った行為について反省してください。だいたい耳を食うなんて行為はわいせつ罪もしくは暴行罪が成立する場合が...』
思わずヒートアップしてしまい、早口でまくし立ててしまう。
やばい、やっちまった...と心の中では反省するものの口が止まらない。
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みみか(プロフ) - 暖さん» コメント及びご指摘いただきまして、誠にありがとうございます。すぐに改善させていただきます。 (2021年1月10日 22時) (
レス) id: 3382561fd4 (このIDを非表示/違反報告)
暖 - 同じ話があります。食べ物に前向きともう一個のおはなしです。 (2021年1月10日 21時) (レス) id: 89e8900637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみか | 作成日時：2020年11月17日 6時
