大好きな幼馴染みが帰って来ました。 (ページ1)

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プロローグページ1

「ねぇっ…。行かないでよ！ねぇってば！！」

シンシン降ってる雪の中、

中学1年生だった私は

幼馴染みを追いかけて走って行く。

その日は、私の誕生日でもあり、

クリスマス…だった。

涼「………、もう決まったことだから。俺は行くしかないんだよ。」

そう言って悲しげに話す彼は

儚く、美しく見えた。

それでも、私はあなたを追いかける。

だって物心ついた頃からあなたが

大好きだから。

街中を大声で叫ぶ私。

当然、みんなからの視線が集まる。

それでも、空港へ早足で、歩いて行く彼。

「……なんでよ。なんで教えてくれなかったの？中1で留学なんて早すぎるよ…」

今にも、泣きそうなほど、声が震えている私。

あぁ…。最悪の誕生日…。

最悪の

クリスマス……。

涼「ごめんな…。」

振り返って私のおでこにキスをしながらそう言う彼は

白い雪を遮るかのように泣きそうで赤い顔をしていた。

涼「…行ってきます。」

その姿は、あまりにも澄んでいてこれ以上何も

言えなかった

ガヤガヤとしているホワイトクリスマス。

私の中は悲しみの

クリスマスだった。

どんどん見えなくなるほど彼は過ぎ去って行く。

「…っ。うぅっああっ…うあーーん！！」

街中に響く私の泣き声。

こうして、4年のアメリカ留学に彼……

大好きな幼馴染みの山田涼介は旅立って行きました。

シャンシャンシャン

と、楽しそうな音が

響くこの街から。