Chocolate cosmos. (ページ8)

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知りたくてページ8

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「ひょっとしてさ、同じ大学やったりする？」

大学の最寄りから３駅離れたマンションで
一人暮らしを初めて、3ヶ月。

下へ降りるエレベーターを待っていると、

突然後ろから声を掛けられた

その甘く、透き通った声に少しドキドキしながら
後ろを振り返ると
綺麗な瞳をこちらに向ける先輩が居た。

「･･･たぶん、そうだと思います。」

「やんな？この間授業中に
なんか似てる子おるな～って思っててん」

先輩はそう言って笑ってたけど
私はもうとっくに同じ大学だってことには
気づいてた

だって、先輩は大学では有名人だから。

同じ大学に通ってる人は
大体先輩の名前を知ってるし
その名前の持ち主がとんでもなく美形だということも

大半の人が知っている

先輩は、3ヶ月も経ってようやく
私の存在に気づいてくれたけど

私は引越しの挨拶をしに先輩の部屋を尋ねた時から

同じ大学の人だって気づいてたよ

あえて、言わなかったけど。

「高野さんやったっけ？
引越しの挨拶来てくれたよな」

「･･･はい、」

「そっから全然会わんかったから
引きこもりでもしてんのかと思ってた」

「普通にちゃんと、大学行ってます」

「はは、やんな。
下の名前、なんて言うん？」

「･･･Aです。」

「Aちゃんか、改めてよろしくな」

「･･･こちらこそよろしくお願いします。」

突然、先輩の声で呼ばれた名前に
心臓がドクンと跳ね上がったあの感覚を

今も、ちゃんと覚えている

あの時はまだ先輩のことをよく知らなかったし

ただ綺麗な顔の人だな･･･くらいにしか思ってなかった。

それに、いくら部屋が隣とはいえ
帰る時間なんてバラバラだし

先輩が言ってた通り全然会うことなんてなかったから、改めてよろしくなんて言われても

そんなに関わることはないだろうって

勝手に思ってたし、

先輩と仲良くなりたいとか特別思ってもなかった。

だけど、あの夜の日

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_____ 俺な、初恋の人亡くしてもうてん

缶チューハイ片手に喪服姿でベランダに出て
夜空を見上げる先輩の横顔が

あまりにも儚くて綺麗だったから

私はもう先輩のことが知りたくて仕方なくなったんだ。