Chocolate cosmos. (ページ12)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:23,892 hit

悪目立ちページ12

.

「今日の晩何するん？」

学校が終わって、早めに夕飯の買い出しして
自分の住む階でエレベーターから降りればまた絶妙なタイミングで
先輩が部屋から出てきた。

「·····オムライスにしようと思って」

「え、いいなー、俺は今からコンビニでなんか適当に弁当買ってくるわ」

「いつも、コンビニで買ってるんですか？」

「ん？うん、そうやけど」

「体壊しますよ？」

「えー、じゃあ Aちゃん
俺の分も作ってくれんの？」

「別にいいですけど」

「っえ？マジで？」

多分、先輩は私が断ると思って
ノリで言ったんだろうけど

ていうか私もいいですよなんて言うつもり無かったのに口が勝手に·····、

「Aちゃんって、部屋に男上げんの抵抗ないん？」

「·····別に、ご飯一緒に食べるだけですし」

「そんなん分からんやん、
俺が急に狼みたいになってAちゃん襲ったらどうすんの？」

とか言いながらも、もう靴を脱いで
リビングに向かう私の後ろをついてきてるじゃん

「先輩はそんな事しません。
ていうかもしそんなことあったら、
刺身包丁取り出しますからね」

「ええー？なに？刺身包丁て。
意外と怖いな、Aちゃん」

私の言葉にわざとらしく肩を震わせながら
何だか先輩は楽しそうに笑っていた

そしてその笑顔はやっぱり私の気持ちを温かくさせた。

「久しぶりに人の手料理食べるわ。」

「私も、久しぶりに誰かとご飯食べます。」

「えっ？マジ？友達おらんの？」

「·····そんなストレートに言わなくても」

「いや、マジか。
じゃあいつも食堂とかでも1人なん？」

「まあ、あんまり食堂にも行かないですけど」

「なんなんそれ、めっちゃ寂しいやん
今度からお昼食べる時、俺誘ってや行くから」

「えっ？いいです、そんなの。
一人の方が楽だし·····それに、」

「それに？」

「先輩と一緒に食べるなんて
絶対目立ちますから·····。」

「あー·····確かに、それはありえるなぁ」

ソファに座って早速くつろいでいる先輩は
少し、困ったように笑っていた。