Chocolate cosmos. (ページ2)

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偶然か、必然かページ2

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「お、今日はバイトないん？」

授業が終わってそのまま、真っ直ぐに

自分の住んでるマンションへと帰り

エレベーターのボタンを押して待っていれば、

後ろから聞こえてくる足音と共に

高く透き通る甘い声が

私の耳に届いた。

「·····はい、今日は休みです。」

「ええやん、最近ずっとバイトやったやろ」

「まあ、」

「あんま無理したら倒れんで」

「大丈夫です、体力には自信あるんで」

そう答えて、開いたエレベーターに乗り込めば
先輩の困ったような笑い声が聞こえてきた。

エレベーターの扉が閉まれば
ふわっと香った先輩の匂い。

甘めのその香りは、

香水なのか、柔軟剤なのか

どっちにしろ、私はその香りが大嫌いだ。

その香りを嗅ぐ度に、

胸が痛いくらいに締め付けられてしまうから。

密室のエレベーターの中、

押した階で扉が開けば2人とも降りる。

「今日は何作るん？」

「·····お鍋にしようと思ってます。」

「ええやん、俺の分残しといてな」

「無理です、」

「後でまた取りにいくわ！」

即答で断ったにも関わらず、
先輩はいつものように強引に話を終わらせて

私の部屋の隣のドアを開けて入っていく。

そう、

私が先輩のことを
他の子よりも知っているのは

私が先輩にとって特別な存在だからとかでは決してなくて、

ただ、

同じマンションに住んでて

それも、偶然部屋が隣だっただけ。